テレビの影響力なめてました



“クリスマスに向けて恋人や家族へのプレゼント選びはお済みでしょうか”



テレビの中で微笑むアナウンサー。それを食い入るように見つめる影が9つ







「…で、この緑の代わりに野菜を使うんだが…」

「政宗様、庭の野菜で代用可能かと」

「じゃあ残りは…冷蔵庫確認してみよっか」

「………」



居間で料理本を広げるのは奥州組と忍組

遠くからでも鮮やかさが分かるそのページには、クリスマスに向けた料理が特集されていた



「何をしておる」

「大谷の旦那、くりすますの準備だよ」

「いつも世話になってる雪子に、くりすますらしい料理を作ろうと思ってる」

「オレらは金を持ってないからな。日頃の食材でどう豪華にするかが問題だ」

「………(困)」

「なるほど…」



普段、家事を手伝う四人らしいプレゼント

大谷はすんなり納得しつつ、チラリと横目で部屋の隅を見た



「三成と真田がいじけておるのは、ぬしらが原因か」








「なぜ…某たちは台所を追い出されたのだろうか」

「私が知るか…だいたい、猿は貴様の家臣だろう!?アレは裏切りだっ!!」

「なんと…!」

「ぬしらが台所に入れば破壊するだけ。猿の判断が賢明よ」

「「・・・・・」」



雪子の兄の部屋にて。三成と真田は納得いかないという風に愚痴をこぼしていた

彼らも雪子にサプライズプレゼントを贈りたいが、政宗や佐助に追い出されてしまったらしい

それを眺める毛利も仲間外れにされた側だろう




「ぬしらは不器用故、くりすますの料理は作れぬわ」

「しかし刑部!私も雪子様に何か贈りたいと…」

「某もでござる!」

「ヒヒッ、気持ちだけで十分…と言っても納得せぬという顔よなぁ」



さてさてどうするか…不器用な彼ら三人が、果たして雪子を喜ばせることができるか否か

考え込む大谷を三成と真田は不安そうに見守った。しばらくして…




「まぁ、ぬしらができることをするのがよかろう」

「は?」

「われらはてれびでやっていた花も服も宝石も贈れぬ。しかし雪子はぬしららしさの残る物の方が喜ぶわ」

「…何か作る、ということか?」

「しかし、政宗殿や佐助は台所に来るなと…」

「食べ物である必要はない。居るではないか、モノ作りに長けた同胞が」

「………?」



顔を見合わせ首を傾げる三成と真田

そして何か思い付いたように、あっと声を揃え…




「「長曾我部(殿)っ!!!」」

「ヒヒッ」

「行くぞ真田!伊達や風魔に負けることは許さないっ!!」

「任せよ石田殿!さぁ、毛利殿も!」

「な−…っ!!引っ張るでないわ!我は行かぬっ!!」








「ヒヒヒッ!さて、どんなモノができるか楽しみよ。しかし…われららしいモノ、か…」



果たして自分は彼女に何を贈ることができるのか

大谷は独り、部屋の中で首を傾けていた


1221.


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