「じゃあね、楓ばあちゃん!」
「またいつでも来い」
「そんなしょっちゅう来てたまるか」


相変わらず素直じゃない犬夜叉。楓ばあちゃんに背を向けたまま、じゃあな、と言って歩き始めた。


「いってきます」
「少しずつでいいから式神を使いこなすんだぞ、舞」
「はい」


…使い方とか何もわからないのにどうやって使いこなせばいいんだろう。もやもやした気持ちのまま私は楓おばあちゃんに手を振り、歩き出した。




「ところで今からどこに行くの?」
「東国よ。楓ばあちゃんから聞いた情報なんだけどね、東国のとある城で、首を斬られた死体が何度も発見されているみたい。しかも、首はどこにも無いの」
「なにそれ、怖っ!」
「あたしは邪悪な何かが関連していると思うよ」
「そして、四魂のカケラがあるかもしれません」
「ふーん…」


四魂のカケラ、か。昨日かごめちゃんから色々聞いたけど、なんだか複雑な話だからよくわからなかったんだよな。私にあまり関係のないことだから、別にいいんだろうけれど。そんなことを考えていると、隣を歩く犬夜叉が嫌そうな顔をしているのが目に入った。


「おい、四魂のカケラが関わってなかったらどうするんだよ」
「…四魂のカケラは勿論必要だが、人助けも大切なんですよ」
「けっ、めんどくせぇ」


弥勒様の言葉に深いため息をつく犬夜叉。そんな犬夜叉を見て、私も同じくらい大きなため息をついてしまう。なんで素直に助けよう、って言えないんだこいつは…。


「は〜…」
「てめっ、人の顔を見て何度もため息つくな!」


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