「よっしゃ気張っていくぞー!ね、かごめちゃん」
「うん、頑張りましょっ」
「…お二人とも元気ですね〜」
「ちょっと弥勒師匠!もっとやる気を出してよね!」
「あ、まだその呼び名なんですか」


今日私達がたどり着いた村では、豊作を祝う祭りが開催される。その名も、ざくざく芋掘り祭り!…ネーミングセンスの悪さに思わず笑っちゃうけどそれは置いといて。


「お芋掘りかぁ…小さい頃にやったわ。舞ちゃんはやった事ある?」
「うん!実は私、芋掘り王子って呼ばれていたんだよ」
「王子…、なのね」
「そうだよ!…ふふん、犬夜叉 羨まいでしょ?」
「全っ然。」


祭りの賞品である薩摩芋を手に入れるため、私達はこれに参加することにした。…犬夜叉は嫌々だけど。
制限時間は終了の鐘が鳴るまで。優勝者は自分が掘った芋を全部貰えるって話だから頑張らなきゃね!私は頬を軽く叩いて気合いを入れ、スコップの素振りを始めた。王子なんだからかっこよく、華麗に土を掘り返すのが大切。


「この大会では敵同士…キミ達、私に近付いたらヤケドするから気をつけなさい!」
「何かっこつけてんだよお前。芋掘りに敵なんかねぇだろ」
「おいおい!ヤケドすると言っただろう、犬夜叉くん…」
「…うぜぇ」


カーンカーンカーン!

開始の鐘が鳴り、参加者達は一斉に芋畑を掘り始めた。こうしちゃいられない、ライバルに負けてたまるか!慌てて腕まくりをして、私は辺りを見回した。うん…葉っぱだらけだ!

芋がたくさん埋まっているであろう場所へたどり着き、私はしゃがんだ。そして、気合いを入れるために大きな声を出す。


「よっしゃぁぁあ!待ってろマイスイートポテト!!」


周りの目なんか気にしない、掘る掘る掘る掘る引っ張る引っ張る引っ張る引っ張る!


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