「舞ちゃん!」


駆け寄ってきてくれた珊瑚ちゃんに手を優しく握られた。どうしたのかなと思って珊瑚ちゃんを見ると、笑顔を返された。


「良かっ、た…無事なんだね」
「うん!見守っていてくれてありがとう。二人が私を助けていたら桐を呼び出せなかったよ」
「舞様」


黙ってニコニコと笑っていた弥勒様が私の名前を呼んだかと思うと、流れるように華麗に跪いた。そして、珊瑚ちゃん同様優しく私の手を握る。


「さすがです…このまま修行をすればもっと強くなりますね」
「ありがとう、弥勒様に教えてもらったから式神を操れるようになったよ!」
「では、これからも修行しましょう!二人っきりで!手取り足取り!」


ゴスッ!!

すごい勢いで話しかけてきた弥勒様のみぞおちに、容赦なく珊瑚ちゃんが蹴りを入れた。弥勒様は苦しそうな表情になり、腹を抱えてごろごろと転がった。


「っぐ、さ…珊瑚…」
「二人っきりで?手取り足取り?何だって?」
「あわよくば舞様と素晴らしいあんな事やこんな事が出来ないかと…ぐは!さ、珊瑚、何をする!」
「懲りないみたいだからもう一発殴ってやった」
「あははは!皆で修行やろうね弥勒様!」


珊瑚ちゃんと笑い、それを見た弥勒様も横になったまま一緒に笑った。




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