「死者蘇生は禁術…良からぬ事は必ず起きます。しかし生まれ変わりを消せば、菫の思惑を簡単に食い止めることができるのです」
「こいつを殺す以外に方法はあるだろ」
「菫を殺めるか、説得するかくらいですね。成功する確率は無いに等しい」
「そんなの私達がなんとかするわ!」
「…」


かごめはそう断言した。俺達全員の気持ちは同じらしく、戦う態勢をとっている。それを見た巫女は刀を鞘におさめた。そして俺達に背を向け、四対一では分が悪いから今回は退く、と言って立ち去った。


「…やけにあっさり諦めたわね、あの人」
「そうですね」
「ねぇ、菫ってやつの目的はわかったけどさ…奈落は何のために協力しているんだろう」


珊瑚の呟きに、全員黙り込む。奈落は自分に利益があることしか協力しないはず…あいつの目的は何なんだ?ちっ、わからねぇことだらけだな。


「…舞が狙われてんだ。そのうち向こうから現われる」
「その時、奈落の狙いがわかるわよね」
「…う、う、うー!」
「舞!?」


気絶していた舞が突然苦しみ出し、全員がこいつを取り囲んだ。そして何かを呟きながら俺の方へ手を伸ばしてきた。


「い、いぬ、やしゃ…」
「どうした舞!」
「天・誅!」
バキッ!「うっ」


…せっかく心配してやった俺の脳天にげんこつを食らわせた舞は、力尽きて再び眠りについちまった。このやろう!腕まくりをして殴りかかろうとすると、かごめに、おすわり!と叫ばれて地面に叩き付けられた。


「何すんだよ…!」
「舞ちゃん、熱があるわ。早くどこかで休ませてあげなきゃ」
「あぁ!?」


かごめにそう言われ舞を見ると、頬が赤く、呼吸をするのが苦しそうだった。…これは早く休ませたほうがいいな。
悔しかったが舞を背負い、休めそうな場所を探し走り始めた。


「犬夜叉〜!舞様は私がおぶりますよ〜!」
「ちょっと法師様、下心みえみえ…いい加減にしろ!」


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