「隱・譫・縡・颱!!」
「ぐああぁあぁ!」


しばらく歩いていると、巫女さんが妖怪に御札を投げ付け、爆発音と共に妖怪が跡形もなく滅せられるのがみえた。
そして私達の気配に気付くと鋭くこちらを睨みつけてきた。どうやら彼女は、私達のことを巫女狩りをする妖怪と勘違いしているらしい。


「待ってください!私達は妖怪退治をしながら旅をしていて…ぜーはー」


私は慌てて巫女に話しかける。彼女は私、弥勒様、舞ちゃんを順に見てから身体の力を抜いた。


「…法力や霊力を持つ方がいらっしゃいますね。信頼してもよろしいのでしょうか」
「あ、それ私のこと!霊力持ってんよ!ぜーはーぜーはー…」
「舞、黙ってろ。いつも以上に頭おかしいぞ」
「はい!?」


犬夜叉と舞のやり取りを見て、巫女は小さくため息をつく。そしてぽつり、


「性格は似ていないがあの人と同じ力を感じる…」


と呟いた。


「そこの奇怪な着物を纏っている、頭の悪そうな方。あなたに聞きたいことがあります」
「ん、もしかしてあたしのことでございます?ちなみに頭は悪くなひ」
「はい。頭が悪そうなあなたです」
「ぷっ」
「ちょ…犬夜叉、今あんたもしかして屁をこきなさった…?」
「ちげーよ」


「あなたは菫、という女をご存じですか?」


また出てきた菫という巫女さんの名前。この近辺では彼女が有名なのかな。舞ちゃんは顎をしゃくれさせながらこたえる。


「はい知ってますよ!菫さんはご先祖様でーどうやら私はあの人の生まれ変わりらしいんだぞー」
「話し方うぜー」
「…わかりました。生まれ変わりなのですね」
「そうでーす」


ふざけた感じで頷くと、巫女さんは腰にさしていた刀を突然舞ちゃんの首元にあてた。切っ先が軽く刺さり、舞ちゃんの首から血が流れる。


「っ!?」
「あの人の生まれ変わりならば、あなたはここで死んでください」


To be continued.


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