「まぁこのまま北に行ってみればわかるでしょ。こっちにはわんちゃんがいるし大丈夫!」
「だ、か、ら、誰がわんちゃんだ誰が!」


犬夜叉の袖を引っ張りながら私は笑った。その顔を見ておじいさんは一瞬驚き、懐かしそうな表情をみせる。


「昔、あんたみたいな笑顔をみせる方がいたよ。この村にたまに来てた巫女さんで、菫様といってなあ。あんたとは少し違う雰囲気だが、とても綺麗じゃった」
「え!?」


私はその言葉に過剰反応してしまった。そしてついおじいさんの肩を思いっきり掴んでしまった。


「ちょっと…菫さんは綺麗で、私は綺麗じゃないって言いたいのか!」
「落ち着いて、別におじいさんはそんなこと言ってな…」
「残念だな舞、否定できねぇ!」
「くたばれ犬夜叉!」


…話がそれてしまった。かごめちゃんと弥勒様はゴホン、と咳払いをしてそれを元に戻そうとした。


「…あの、おじいさん、教えてくれてありがとうございます」
「私達は妖怪退治をしながら旅をしていますので、このまま進みます」


かごめちゃんと弥勒様は一礼し、北に向かって進み始めた。その後を珊瑚ちゃん、雲母、七宝の順に歩み、…


「てめぇ今日という今日は殺す!女だからって手加減しねーからな!」
「ふ…男女平等大賛成よ!手加減なんてすんな、かかってこい犬夜叉!」


一歩も動かずに争い続ける私達。おじいさんの目は点になっていた。


「何やってんの二人とも!早く行くわよ!」
「だってかごめちゃん…」
「こいつが悪いんだ!」
「犬夜叉なんかにちょっかい出すからこうなっちゃうのよ?」
「…そうだね、ごめん。なんだかふらふらするからつい…」
「おいてめぇらムカつくぞ」


なんとかかごめちゃんが私を宥め、皆で歩み始めた。


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