チュンチュン…

雀?鳥の鳴き声が聞こえる…清々しい朝。なんだかここ、寝心地いいからしばらく寝ていようかな。誰にも邪魔されませんように―…


「おい」
「ん…あとちょっと、ちょっとだけ、一時間だけ寝させて」
「何言ってんだお前」
「…眠いんだってば!」


私はいつも通り、弟と思われる人物に蹴りを入れる…が、手応えはない。ん?変ね、私の攻撃をいつも避けられないはずなのに…。
違和感を覚えたけれど眠気には勝らない。私は目を閉じたまま布団が無いかどうか手探りする。


「いきなり蹴りやがって、何すんだこのアマ!」
「…あ、あんたね、アマ呼ばわりとはいい度胸して…んん?」


弟と思われる人物にアマ呼ばわりされた事に腹が立った私は、勢いよく起き上がり叱ろうとした。けれど相手の姿を見た途端、語尾に力強さが無くなる。口はあんぐりと開いてしまい、脳は思考停止。
だ…誰?なんなのこの犬耳!


「じろじろ見んな」


呆然とする私に犬耳の男の子は言うが、私はその言葉に何も返せない。ある衝動に駆られていたから。…触りたい!と。


「!」
「な、なんて素晴らしい感触…」


私は好奇心に逆らえず、微妙に動く犬耳を触り続けた。なんだかすごく心が満たされる!しかもあたたかい!本物…なわけないよね、よく出来ているなあ。


「て、てめぇ、人の耳を勝手に触るな!ぶん殴…」
「犬夜叉ー!朝ご飯できたわよ…って、え、誰その子?」
「知らね。倒れてた。」


木陰から現われた、かごめと呼ばれる可愛らしい女の子は私をじろじろ見てきた。…な、何、何なの、相手は女の子だけどそんなに見つめられたらさすがに照れちゃうよ。
熱い視線に対してどう反応したらいいのかわからず私がもじもじしていると、女の子は私の両手をがっちりと掴んでこう言った。


「もしかして現代の子?」
「…はい?」


待って、当然なことをなんで聞いてくるのこの子は…。

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