「…この城どうなってんだ?なんで舞が連れ去られたんだ」
「とにかく、この城を調べて探そうよ」
「行きましょ!」
早く助けなければ、武器を持たない舞が危ない。俺達は消えちまったあいつを探すために城内へと足を踏み入れた。
「う…」
ピチャン
「冷たい!…何処ここ!?」
天井から滴る雫が私の額に規則正しく当たり、その冷たさによって目が覚めた。
辺りを見回してみたけれど、薄暗くてよく見えない。足が水に浸かっていることだけはわかる。自分の近くには誰もいない。ただ一人、私だけがこの空間にいる。
「…そういえば地面が割れて私だけが落ちたんだっけ?ん、落ちてないか?覚えてないな…」
とにかく自分のいる場所がどこなのか知りたい。立ち上がり、その真っ暗な空間を歩き回った。
「ここに入ったってことは、出入り口がどこかにあるはずだよね…、痛っ!行き止まり!?」
まっすぐ歩き続けた後、頭を思いっ切りぶつけ後方に吹っ飛んだ。恐る恐る壁らしきものに触れてみる。…ひんやりしていて固く、岩みたい。そして地面らしいものを力強く踏んでみるとそれも固かった。
「ああもう、私をこんな目に合わせるなんて…誰だよ!あ痛ー!」
苛立って壁を思いっきり蹴るとやはり壁は固く、足がびりびりしびれた。
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