最近の私は絶好調。
この戦国時代にタイムスリップさせられてから、妖怪が襲ってきたり式神がうんたらかんたらだったり大変な事が続いたけれど…犬夜叉達のおかげで戦えるようになった!
嬉しいなぁ…もっと強くなれるかなぁ…ふふふ。


「らんらんららら〜ん」
「…舞…、おい、舞!」
「ん?なに?」


かごめちゃん達の後ろを犬夜叉と肩を並べて歩いていたら、急に話し掛けられた。機嫌がいいから満面の笑みで返事をすると、彼は怪訝そうな顔を見せた。


「何かあったのか?お前いつも以上にうっとうしいぞ」
「それはね…、ってちょっと、最後の一文が余計でしょ」
「むしろ俺が一番言いたい事はそれなんだけどな」
「うう、涙が出る…ふぇーん!」
「変な声を出すな!」
「何よ、可愛く振る舞ってみたのに」
「全く可愛くねぇ」


犬夜叉は吐き捨てるようにそう言って、デコピンを食らわせてきやがった。う…うああ…地味に痛い!予想外な攻撃にへこむ私を余所に、犬夜叉はすたすたと歩いていく。ちょっと待って!


「か弱い女の子にこんなことするなんて…今度こそ涙が…っ」
「涙の数だけ強くなれるだろ!」
「誰にその言葉を教わったの?かごめちゃんでしょ?」


ものすごい速さで駆け寄って尋ねてみたけれど、やっぱり無視された。わー、そっちから喧嘩を売ってきたくせにー。

とりあえず腹立たしいから背後から思いっきりストレートパンチをくらわせてみよう。
お、お、おりゃあああ!
…ん?ちょっと力入れすぎた?
手応えを感じて犬夜叉の様子を伺うと、彼はわなわなと拳を震わせて私に振りかぶってきた。ぎゃああ!私は慌てて頭を手で覆い隠し、大事な脳を防御しようと試みた。だけど殴られる直前にかごめちゃんが私達に声を掛けてきたため、犬夜叉の動きは止まった。「こっちに来て」と彼女は言う。


「ちっ…舞、覚えてやがれ」
「もちろん忘れる」
「よし、じゃあ今殴っておくか」
「かごめちゃーん!どうしたのー!?」
「待てコラァァ!」
「断る!!」

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