「それでは…第六回、妖怪人間混合運動会を開催しまーす!」


マイクを持つかごめちゃんが舞台上でそう叫ぶと、その場にいる者は皆歓声をあげた。

…私は今回初めて参加するから、この大運動会がとんでもないものだなんて知らなかった。参加したこと、後悔しています。



「今年は赤組の優勝だ!…オイ殺生丸、てめぇには絶対負けねーからな」
「ふ…昨年負けた犬が吠える姿は惨めだな…」
「なんだとコラァ!」


赤組代表の犬夜叉と白組代表の殺生丸が、指令台前で火花を散らす。ああもう、宣誓しないと始まらないから早くしてよこのやろう!私がいらいらしていると、かごめちゃんがマイクを取って犬夜叉に声をかけた。


「ちょっと、早く宣誓しないとあの言葉を叫ぶわよ?おすわ…」
「あー、俺達はースポーツマンシップを無視しー、相手をボコボコに叩きのめすことを誓うぜ!」


うおぉぉ!!!と妖怪も人間も唸り声を発し、シャドーボクシングをしたり屈伸をしたりとやる気満々な姿ばかり。


「ちょ、スポーツマンシップ無視するなよ!そして運動会は相手をボコボコに叩きのめすことが目的ではないからね!?」


赤組の列からつっこむ私の肩を、後ろに並ぶ蛮骨が叩いた。


「気にすんな、第一回からこの宣誓は変わってねぇからよ」
「えええ!今までボコボコに叩きのめしてきたの?」
「当たり前だろ」


…ま、待ってください。ボコボコに叩きのめすってことは、え?私も叩きのめされちゃう?ありえねー!


「あ、そういや今年はあの退治屋が敵チームだから気をつけろよ」
「退治屋?」


蛮骨が指す方を見ると、怪しげな笑みを浮かべる珊瑚ちゃんが立っていた。しかも手首をバキバキ鳴らしている。
わー殺る気満々だ!…怖いわ!


「でもかごめちゃんはなんで司会兼解説者なんだろう…参加しないのかな?」
「あの女は妖怪達の中に混じって闘えないから仕方ねぇだろ」
「待った!私も妖怪に混じって闘えない、か弱い女の子だってこと忘れてない!?」
「そんなことを記憶した覚えすらない」
「ふざけんなぁぁぁ!」




…そんなこんなで始まりました、第六回妖怪人間混合運動会。開会式の時から普通の運動会ではないってこと、なんとなくわかってたけどさ、だけど…


「どきやがれてめぇ!」
「うるせーてめぇこそ邪魔すんな!」


何故四百メートル走の時に、隣りで走っている人を攻撃するんですか。
蛮骨と犬夜叉は、武器を振り回しながら罵声を吐いて走っている。周りの妖怪達は奴等の激しい攻防にたじたじ…つーか仲間同士でしょあんたら!!


「…次の種目に出なきゃいけないから準備しよ」

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