トリックアンドトリート! | ナノ


「トリックアンドトリート!」


そんな馬鹿げた台詞と共に俺の部屋に入ってきたのは、
…なんというか、絶対領域が眩しいミニスカ魔女さんのコスプレをした豪炎寺だった。


「気色悪いかっこで入ってくるなよ…」
「む、気色悪いとは心外だな…風丸の分も持って来たから許してくれ。」


噛み合わない会話に半分呆れつつも、豪炎寺のもってきた袋から姿を表したそれを見る。


「これは…」
「ミニスカミイラ男さんだ」


いやまておかしいだろ落ち着けタイムタイム。
ミニスカのミイラ男なんか聞いたことねえよ。
っていうかそれはスカートでもなんでもないただの包帯だ。
俺が激しい葛藤を繰り広げている間にも豪炎寺は「まさに風丸のためにあるような服だ」と感嘆している。
お前後で風神の舞な。

俺が頭の整理を終え、豪炎寺にツッコミを入れようと口を開いた時、豪炎寺が俺をベッドに押し倒した。
そしてもう一度お決まりの台詞を口にした。


「トリックアンドトリートだ風丸」

にこ、と笑むその表情にドキリとし、危うく流されそうになったが何とかこらえ、引き出しの中から飴をひとつ取り出す。
毎年円堂がお菓子をせがむので、この日はつねに菓子をもっている。

どうだ、という感情を視線にこめて菓子を豪炎寺に差し出す。
豪炎寺はというと、少し目を見開いて、すぐにニヤリと微笑んだ。

「…?なんだよ?菓子は渡しただろ」
「風丸、もう一度言ってやる」
「は…」

「俺は、トリック アンド トリートと言ったんだ」

「は…?」
「つまりは、」


そこで豪炎寺は大層楽しそうな顔で言った。


「お菓子をくれてもイタズラはするってことだ」






今年の俺はミニスカ魔女に足腰が立たなくなるまで散々色々されるミイラ男役だった。



ハロウィンフリー!
私も一郎太にトリックアンドトリートしたいです。


2010/10/31 涼条


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