恋でも愛でもないけれど | ナノ
(好きか嫌いかって聞かれたら、好きだ)

相手は大人だ。男で、おまけに妻子持ち。
ばっかみたいだ。
それもこれも監督が優しいのがいけないんだと思う。

冬香ちゃんが触らせてくれ無いからなんだろうけど、
ある日部屋に呼び出したと思ったら髪の毛を梳かしたり弄ったり。
皆に気づかれないように頭を撫でてくれたりさ。
優しく笑いかけられたときなんてびっくりして目玉が飛んでいくかと思った。
でもそんなの監督にとっては特別でもなんでもないんだろう。

こんな感情初めてすぎて何がなんだかよく分からないんだ。
これが「好き」っていう感情なのかだって分からない。
恋っていうのは心臓がドキドキして苦しくなって大変だって聞いたけど…
別にドキドキはしないし。苦しくもない。なのに監督が気になって仕方が無い。
考えれば考えるほどよく分からなくて夜もろくに寝れてない。


「風丸」
「あ、はい!」


監督が呼んでる、自分で自分の表情が明るくなったのが分かった。
いそいで走っていくと監督がベンチに座れと言った。言われた通り監督の隣に座る。
監督がまじまじと俺の顔を見る。監督の顔が俺の目にいっぱいに写る。
すると監督が俺の頭をポンポンと叩いて言った。


「栄養はちゃんととっているか?」
「え?あ、はい」


当たり前だろう、皆と同じものを食べているんだから。


「なら寝不足か?」
「…!」


言葉を発しないことを肯定とみなしたのか、監督が言った。


「しっかりと眠れ。お前に今抜けてもらうわけには行かない…なんなら一緒に寝てやろうか?」
「ひっ、一人で寝れます!!!」


監督はクスクスと笑ってから、ふわりと優しい笑みで俺を見る。
ああ、この笑みが大好きなんだ。円堂とはまた違う、人を優しく包み込む笑みが。

そしてそこで俺ははっとした。
これ、恋とかいう感情ではないんじゃないか。


「…監督、」
「なんだ」
「甘えても、いいですか」
「…好きにしたらいい」


監督の手が恋しくて、自分から監督のを促して、
また頭を撫でてもらった。その温もりに、自分の出した答えがピッタリ当てはまった気がして少し恥ずかった。


恋でも愛でもないけれど


「監督?どうしたんですか?」
「いや、何も(落ちそうに無いな…)」
「?」



なあにこれぇ/(^o^)\監督が偽物
描いてて久風より久+風のほうが好きかなあっと思ったとたんにぐちゃぐちゃになってしまいました。
監督の片思い面白いです(酷
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