熟れた欲望から滴るマゼンタ | ナノ
「円堂くん、」
笑顔で振り返る愛しい人。
「どうしたヒロト!」
そういえば特に用はない。
「え、あっ…何もないよ…用もないのにごめんね。」
慌てて謝る僕を気にしないでニカッと笑う円堂くん。
「いいよ!好きなだけ呼んでくれていいんだぜ!」
「円堂くん…!」
いつだって優しくて、ほんわり包んでくれて。
(もっと)
(円堂くん)
(もっとちょうだい)
キミが欲しいって言えたらいいのに。
まだちょっと勇気が足りないみたい。
(欲望だけは熟れ続けて。)
熟れた欲望から滴るマゼンタ
口にだせないだけ。
thanks!(クロエ)