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「いまどきそんなべたなリーゼントのヤンキーなんていねーよ」


入学後初めての席替えをしたら、クラスでも学校でもヤンキーと恐れられる荒北康友の隣になった。というか、本当は違ったんだがほかの女子がビビって嫌だとわめいたので交換することになってしまったのだ。

私としては歓迎だった。
正直ヤンキーだなんだと騒がれてはいるがただのいちクラスメイトでしかない荒北なんてどうでもよかったし、もし殴られるんなら殴られるで非日常を味わえるわけだ。実に高校生らしい展開ではないか。もしかしたら河原で喧嘩して友情を育めるかもしれない。

わくわくしながら煽ると、彼は一瞥しただけですぐにそっぽを向いて私を無視した。


「あらら、キレないんです?ヤンキー漫画みたいに」


「キレねーヨ、お前みたいなアホ相手にしてられっか」


「そうかそうか、なら私は荒北クンにとって喰われる心配はないわけだ」


安心したぞ、と大仰に言えば鼻で笑われた。


「誰が喰うか、てめーみたいなちんちくりん」


「ちんちくりんは荒北クンの髪じゃないの?」


「るっせ!」


皆があれほど「アラキタ コワイ」と言うからどんなものかと思ったが、思ったよりも落ち着いているようだった。ただ単に私を警戒しているだけかもしれないが。

存外、この席替えはいいものかもしれない。









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