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朝、教室から生徒たちが登校するのを眺めていると、青いロードレーサーが校門をくぐったのが見えた。


「今泉か?」


「だろうね。あ、鳴子君と小野田君も走ってきたみたい」


赤いロードレーサーを追うように、借り物のロードレーサーも門をくぐった。

やや疲れた走りに見えたのは昨日のレースの疲れを引きずっているのか、それとも相当な距離を走ってから登校してきたのか、どちらかだろう。


「インハイの頃にはレギュラーの座、脅かされるんじゃない?」


「だといいが、な」


私とともに外を見ていた金城は、今は何やらメモを片手に考え事をしているらしい。
邪魔をしないようにしていると、メモを見せられた。


「どう思う?」


メモには、簡単ではあるが1年生の走りの特徴が書かれていた。
良い点、悪い点ともに昨日のレースの走りとこれまでの練習でのデータなので完璧ではないがおおよそ当たっているように思う。


「どう伸ばしたい、ってことなら…そうだな…、本人たちが欠点を自覚するのが一番だけど…」


あくまでデータは第三者からみたものであって、そのデータをもとに練習を強制させるのは正解だと思えない。


「やはり個人練習か」


もう少し検討する、と言ったので私はデータ収集の手伝いを申し出た。寒咲が入ってくれた分、少しは仕事が楽になったからそれくらいの忙しさがちょうどいい。

金城は、任せる、と言ってくれた。
1年に負けないように頑張らなきゃな、と思った。







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