かぷり、

そんな音が聞こえてきそうな気がした。臨也は先程から微かな痛み(最早くすぐったいの領域のもの)を、私の指に与えている。所謂甘噛み、というやつだ。


「…楽しい?」

「うん」


迷わず即答。たまに指先に触れる臨也の湿った舌がくすぐったい。くすぐったい、というよりは脊椎の辺りをぞわりと何かが走る様な感覚。それは至極快感に近い様な、それで。


「くすぐっ、たいよ」

「知ってるよ」


またまた迷わず即答。知ってるよとはまた質の悪い。かぷり、かぷり。人差し指、中指、薬指……。しばらくそれを見ていると、何かの神聖な儀式の様な、そんな物に見えてくる。

そして何故かじわりと噛まれた所から滲み出る様な快感が背中を走り出す。遂に小さく艶めいた声が鼻から漏れた。それを聞いた臨也は私を見て妖しく笑うと、やっと私の指から口を離した。


「感じちゃった?」

「…………変態」

「自覚はしてるよ」

「…私の指はおいしかった?」

「うん…そうだな、でも」


「やっぱり名前の身体のほうが、おいしそうだ」



! あまい獣


どうぞ、満腹になるまでご賞味くださいな。



20110106.林田
title by.オートマ


新年一発目から謎だぜ
ベイベー!(黙)

でもこういう謎ちっくな
話は林田好きなんです

あっ 痛い
石つぶては止めてっ…