2011/02/12 22:52

※雷門の合宿所





鉛筆を半分に割ったくらいの細い棒にチョコレートをかけた馴染みのお菓子。これを2人で両端から食べるポッ●ーゲームという遊びがあるそうだ。

栗松くんは、この遊びを知っているかなあ?

そわそわそわそわ。
栗松くんの動きをじーっと追って、1人で部屋に戻ったところを見計らいドアをノックする。「ちょっといいかな」「え?ヒロトさん?」驚いた声をあげた栗松くんがドアに駆け寄る気配がする。声だけですぐにわかってくれるの、普通のことかもしれないけどなんだか嬉しいな。「ねえ、ポ●キーゲームって知ってる?」部屋に入ると早速、赤いパッケージを差し出しながら後ろ手でドアの鍵を閉める。よし、これで安心。「え?なんでやんすか?それ」両手で箱を受け取って不思議そうに眺める様子を見ると、本当に知らないようだ。これは好都合。「俺もさっき初めて聞いたんだけどさ、」さりげなく肩を抱いてベッドに並んで座るよう誘導する。「今から一緒にやらない?」

「やるったって、どんなゲームなんでやんすか?」「それはやってからのお楽しみー」「えーっ」ぺりぺりと箱を開けて袋の中から取り出す俺の動作を君があまりにじっと辿るものだから、すごく緊張するしなんだか居心地が悪くなる。(……そんなに純粋な目で見ないで……)いたいけな子供を騙すような気持ちになりながらも逸る気持ちは抑えきれず、手にした一本を思いきって半開きの口に突っ込んだ。栗松くんが反射的に咥えてくれたから、これでひとまず準備は成功。「それじゃあいくよ」向かい合って、両肩に手を置いて。この動作で何かを悟ったのか、栗松くんが思い切り口を開いてしまった。見る見るうちにポッ●ーが落下して、溶けかけた先っぽのチョコレートが板張りの床にべたりとこびりつく。「あー!ちゃんとくわえてなきゃダメだよ!ほら、床拭かなきゃ!」「ヒロトさんっ、今何しようとしたでやんすかっ」栗松くんが怒ったような声をあげて身体を震わせる。あー、どんなことするのかバレちゃったかな。「だから、ポッ●ーゲームだよ。」「だだだ、だっていいい今のって、キ、キ、」キスする、みたいな。真っ赤な顔をした君が、消え入りそうなくらいに小さな声で続けた。キスなんて初めてってわけでもないのに。だけど、さっきから緊張してるのは俺も一緒。っていうか、何するかわかってる分俺の方がさっきからドキドキしてるんだからね。「キスじゃないよ。ゲームだから。」両手で顔をぎゅううと挟んでこっちを向かせた。だから、そのゲームってのがあやしいんでやんすってば。君はまだ納得がいかないというように口を尖らせる。「とにかく!やってみないことにはわかんないでしょ?だから今度はちゃんとくわえて!」

ガチガチに固くなりながらポッ●ーを咥える栗松くんの両肩に再び手を置いて、今度こそ本番。腕をゆっくりと曲げて顔を近づけると、緊張した瞼がぎゅっと閉じられた。最初の一口で慎重に細いそれを噛み切ると、ポキッと小気味のいい音がする。二口、三口、進むにつれて、顔の距離が近くなる。君はまだ、瞼を元に戻してくれない。最後の一口。顔の角度を変えて、君の唇ごとぱくっと包んで、舌で君の口の中をぐるりとなぞって、残りの部分は全部俺がいただいた。ポッ●ーゲームってこんな感じでいいのかな?もぐもぐしながら表情を伺うと、君は相変わらず真っ赤な顔で今度はなぜか目に涙を溜めていた。「ヒロトさんってエッチでやんす!!」「えーなんで?そんなことないよ」「っ、キスの、仕方がっ」腕を振り切られたと思ったら、正面から両肩を突いて張っ倒された。白い天井が強制的に視界に入る。俺、何か悪いことしたかなあ。そっと顔をあげて君の様子を伺う。ツンとして俺に背中を向けるけど、耳まで真っ赤なのがばればれだよ!

「ねー、今度は栗松くんからしてよ」俺の方からポッ●ーをくわえてアピールするけど、栗松くんの機嫌は一向に直らない。「絶対しないでやんす!!」栗松くんは俺の口から細長いそれをひょいと抜きとったかと思えば、真っ直ぐに自分の口に入れた。わ、意外と大胆なことするー。「間接キスだね」「またそういうことっ!」次の一本の準備をしようとしたら、怖い顔の栗松くんに箱ごと取り上げられた。「没収でやんす!壁山にあげてくるでやんす!」甘いな。ストックは残り5箱ある。








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やり方間違ってるのは仕様です。
栗松くんの口からエッチなんて言葉が発せられたら非常に興奮しますよね。


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