2011/03/26 22:58

ヒロトさんの目の中には俺がいて、その俺の目の中にはヒロトさんがいて、そのヒロトさんの目の中にはまた俺がいる。果てしなく続くお互いの中にお互いがいることを確認する時間は、楽しくて愛おしくてすごく大切だ。いつまで経っても飽きることなんかなくて、それどころかずっとずっとこうしていたい。それはもう時間が止まってほしいと思うくらい。
ヒロトさんはいつでも俺のことを膝の上に乗せて、後ろからすっぽりと抱きしめてくれる。だけどそのうち俺は視界にヒロトさんがいないのに我慢ができなくなって、くるりと身体の向きを変える。ヒロトさんの膝の上で向かい合うのはすごく照れくさくて、せっかくヒロトさんの顔がよく見えるようになったのに、結局は恥ずかしくなってヒロトさんの胸に飛び込んでぎゅっと抱きついてしまう。ヒロトさんは少しだけ驚いた顔をするけど、すぐにまた俺の背中に手を回して強く強く抱きしめてくれる。
好き、って思い切って声に出したら、世界が変わった気がして抱きついた手が震えた。ヒロトさんの身体が明らかにびくりと跳ねて、俺を抱きしめる腕が少しだけ緩んだ。本当に?ヒロトさんが泣きそうな顔をして俺の顔を覗き込む。俺は黙って見つめ返すことしかできず、またヒロトさんの中の俺を探す。泣きそうなヒロトさんの目の中には泣きそうな俺がいた。泣きそうな俺の目の中には、少しだけ笑ったヒロトさんがいた。今日、そんな夢を見た。









--------------
ヒロ栗ちゃん早く会えるといいね


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -