マックスってネコっぽいよな。と、マックスの知り合いの10人中8人くらいが考えそうなことを口に出した。帰り道、俺の前を歩くマックスがぱたりと歩みを止めてこちらを振り返る。それから、無表情でまじまじとこちらを見つめる。やばい、俺、スベったかな。相変わらずマックスの表情は読めない。 「ボク、ネコ嫌いだから嬉しくない」 真顔のまま、しかも顔を覗き込まれた状態で言われた。怒ったのかな。ちょっと怖い。 「ごめん」 「別にあやまんなくてもいーけど。半田はそう思ったんでしょ」 マックスは再び俺に背中を向けてさっさと前を歩きはじめる。捕まえられそうだと思ったとたんにするりと逃げてしまう、今みたいなところがまさにネコ。 「なんで嫌いなの?」 「わがまま、気まぐれ、言うこときかない。好きになる要素ある?」 それってさあ。言い返そうとした途端に先手を取られた。 「それに比べて犬はいいよねー。ボクは断然犬派!」 マックスの身体がぴょこんと一回、楽しそうに跳ねる。お馴染みの帽子、垂れた太い紐が大きく上下した。 「賢くて、従順で、忠誠を尽くしてくれる、とか」 半分振り返った横顔と視線が合う。 「半田みたいな」 その言葉に向かって、どんな顔するのが正解なのかわからない。迷いに迷った口元が、中途半端な形のままぷるぷると震えた。 ------- 鈍感ヘタレ思春期半田くん×他のことと違って半田のことだけは自分の思い通りにいかなくてもやもやするまっくす 半松はイナズマで最初にどっぷりハマったカップリングです。 |