私はスポーツドリンクに感謝する。ありがとう、スポーツドリンク。
『わ、私は円堂紫円です』
「こんなに可愛い子と会えてなんてうれしいな。よろしくね、紫円」
ちゅっと頬に唇を落とされる。な、ななななななななッ・・・!?
私の顔は今真っ赤だろう。まだ14歳、小さいころから守にくっついていた私は男性経験が乏しいのだ。無いに等しいと言ってもいいだろう。
風邪でふらふらしていた私の頭はショートし、目の前が真っ暗になった。
*-*-*
「紫円!紫円!」
『んー・・・ぅう?』
「大丈夫か?」
ぼんやりとした視界。
目をこらせば守がいて思わず飛び起きる。ゲホゲホと口から咳がもれておでこにある冷たい感触にああ熱が出たのかと確認。
そういえば倒れたっけ、とままならない思考で考える。あれ、誰か私の手を握ってるぞ。守の指はもっとごつごつしてるし、じゃあ誰だ?
『フィッ・・・!?』
ななななななななななななんでフィディオさんがここに!?ここって日本エリアだよね、私の部屋だし。
「フィディオ、ずっとついててくれたんだぜ?」
『え』
な、なんだと。
初対面の私になんて親切な。時計を見るともうすぐ日付が変わる時間。守もこんな時間まで起きててくれたのか。お粥もって来るな!と去っていった守。ま、まってくれ・・・二人きりにしないでくれ!
「んぅ・・・?ん、」
『え、あ』
おおおおおきた!?どうしよう心の準備がまだできていないぞどうしようどうしよう・・・!一人であわてる私をよそにフィディオさんは青いきれいな目をゆるゆると開いた。
「ッ・・・!」
『わ!』
いきなり起き上がったフィディオさん。それにびっくりとして大きな声を上げてしまう。ゲホゴホと私の口から咳がもれた
「ごめんね、日本にキスの挨拶は無いんだった。びっくりしちゃったよね」
『い、いえ!それよりこんな時間まで私についていてくれてたんですか?』
「ああ。大丈夫?顔が赤いよ?」
それはあなたがいるからです!
ひいいと声をあげたいのだが夜中なのでだめ、絶対。がんばっておさえる。守はまだですか!
『だ、いじょうぶです』
「そっか、よかった」
へにゃんと笑ったフィディオさん。心拍数上昇中、体温上昇中。
心臓のどきどきを抑える方法を教えてください
フィディオさんと病弱少女