♀主→ヒバツナ











「紫円っ・・・どうしよう・・・オレ、雲雀さんが・・・好きみたい、でッ・・・オレ、っ、男なのに・・・きらッわれ、軽蔑された・・・ら、どうしよう・・・っ!」


そう言ってボロボロ涙を流しながら私の部屋に跳びこんできたキミを、私は只手を握って大丈夫と繰り返すことしか出来なかった

大丈夫、大丈夫だからと。そう、大丈夫
君が苦しむ事なんてないんだよ、雲雀さんもキミが好きなのだから
だからね、君達が苦しむ必要なんて無いの。君達は只笑っていてくれれば私は幸せなの。只、それだけで私は、幸せ



「オレ、恭弥さんと・・あの」


『うん、おめでとう、綱吉』



目を細めて笑う君に、私はきちんと笑えていたかな
只、私は屋上を飛び出していた。後ろから追いかけてくる綱吉の声に気付かないフリをして



「ありがとう。やっぱり紫円、大好き。最高の幼馴染だよ!」



彼は優しい。優しいから、残酷。
優しい彼の頬が涙で塗れるのは見たくない
大きな琥珀色の瞳が悲しそうに揺れるのを見たくない





だから、わたしは




泣くのは私だけでいい



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