『レモンティーちょうおいしい』

私は屋上で隣にいる沢田君を見ながらそう独り言を呟いた
レモンティーの存在は神だと思う。あのすっぱさがすごくおいしいんだやみつきになる・・・!

「加沢さん、ちょうだい」

ん、と沢田君は私の方に手を伸ばした。ええとこれは、レモンティーのペットボトルを渡せばいいのかなぁ
そうあれこれ考えている間に、沢田君は一気に不機嫌になった。え、そんなにレモンティー飲みたかったのか

『さわ、だくんむ』

怒った時の沢田君はすごく怖い。なんていうか・・・あれは兎の皮を被った狼だった。ウサギだけに
慌てて謝ろうとしたら、沢田君の顔が目の前にあった。あ、れ?

しかも口には、なんだかやわらかいふにんとした感触・・・え、これって

『は』

やっと、唇が開放される。私は状況が理解できなくてただ沢田君を見つめていた。

「おいしいね」

でも、加沢さんの唇の方がもっとおいしい。そう笑った沢田君に私は呆然とするしかなかった。

レモンティー

(やっと状況を理解したのは、また沢田君に唇を食べられてからだった)



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