上を見上げても何も見えない。

ぽとりと私の手から缶ジュースが落ちた
知ってたはずなのにどうしてこうも悲しいのか、それはまぎれもない愛情のせいだった
私は彼が好きで、彼はあの子が好き。ただそれだけなの

わかってる、わかってるよ
幸せそうで、よかったよ

心の底から笑いましょう。皮肉をたっぷりとつめこんで、

ほら、彼も彼女も頬を染めて幸せそう。

嗚呼、ほら彼は言う。紫円のおかげだありがとう、とススキ色の髪の毛を風に揺らしながら

ディーノさんが、静かに私の頭を撫でた



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