「いい加減降りれや。」

「なんでやねん。」

こっちこそなんでやねん。やろ。
まいってる、こいつにはいつも。

「二人乗りって漕ぐ方には地獄でしかないんやからな?分かっとんのか?」

「あーはいはい分かっとる分かってますぅー。」

そう言いながらも降りる気配は微塵も感じられない。
学校からの田んぼの中の帰り道だ。
坂道の上だ。上り坂だ。
こめかみあたりの血管は今にも千切れてしまいそうだ。

「なぁなぁ、明日よぉ、学校さぼろうや。」

「あぁ?なんやて?」

「やからぁ!さぼろうや。おもろいことしようや!」

後ろでそいつが目を輝かせてるのが分かった。
こいつにはまいる。本当に。

でもそんな日があっても悪くはないのかもしれない。
そう思ってしまったなんてのは言わないでおく。














×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -