私はみやこ。十七歳。女。
なめられたくない。

「みゃーちゃんさぁ、ちょっと分かんないよね。なんていうか、ミステリアス?」

そうなの。私は隙が無いミステリアスな女なの。
猫のように生きるのが目標。
もっと私を知りたくなって。
駄目なところは少し変わってるところだって言って。

私の代わりはいないって言って。


…なんて嫌な夢だろう。
起き上がれば、私を過大評価してくれる人なんていない世界でした。
やっぱり現実は厳しい。

「いやだなぁ…学校、いやだなぁ」

布団に顔をうずめても何も変わらない。今日はきてしまった。
きてしまったんだよなぁ。
布団の中でバタバタと悶えていたらお母さんの怒声が響いた。

「みやこ!うるさい!!起きてるなら降りてきなさい!」

そもそも今日テストでしょう!
付け加えられた怒声。
聞きたくなかったです、お母さん。

みやこ。十七歳。女。
実はそんなに器用じゃない。ミステリアスでもない。
どちらかといえば多分、犬っぽいと思う。
でも、なめられたくはない。














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