「もしさぁ、私がさぁ、リサのこと好きだって言ったらどうする?」
自分でも分かった。一気に冷や汗が吹き出したのが。
この気持ちがばれたのかとも思った。
ずるり、と肩の力が抜けた。
頬杖をついて課題のプリントをしているチユリに視線を落とす。
その目はプリントだけを見つめていて、私は冗談なんだと思った。
というか、友情の意味だと思った。
「普通に嬉しいけど?だって私、チユリのこと一番の友達だと思ってるし。」
「ふーん…そっかー…。」
そっか、と繰り返したチユリの声は震えていて。
チユリのプリントに落ちた水滴は見ないふりをした。
チユリは私なんかにひっかかってちゃ駄目なんだよ。馬鹿。
もっと良いまともな男を見つけなよ。馬鹿。
本当馬鹿だなぁ。チユリは。
馬鹿だなぁ。
「リサ、好き。」
「私もだけど…だけどね、チユリ…」
知ってるよ。分かってるよ。
チユリは私の頭を撫でて、しきりにそう呟いた。
≪ ≫
×