中学の頃、私が、美也子だった頃はいつもこんな風に二人とも涙になってしまうんじゃないかってくらいに泣いていた。高校生になって、こんな風にまた泣くなんて思ってもいなかった。

いじめ、ではなくいじり、なんだとクラスメートは言っていた。私は日々増えていく心の生傷に見てみぬふりを出来なくなっていた。

こんな自分が心底嫌いだった。
人に試される自分が、嫌いだった。

真友里はそんな私を気遣ってか知らないけど、いつもピエロのような言動をしていた。
もし私の負担が減るようにしてくれていたのだったら、私はまた泣いてしまいそうだ。
真友里は今でもピエロの癖が抜けない。

その内私は耐えらえなくなって、学校に行かなくなった。真友里はいつも私の家に来ては私を慰めてくれた。
高校生になったら、私たちを知らない人しかいない学校に行こう。と。
そして学校を楽しくしよう。と。
真友里の語る夢物語が実現すればいいと思った。本当にそうなればいいと。
だから私は必死に勉強して高校に入学して、弱い自分を強く見せようと、嘘をついて、「みやこ」になった。
なったのに、どうして。
どうしてこんなことで全部おかしくなってしまうの。

あそこで実は普通の少女です。と言ってしまえば良かった。
栞に軽蔑されても、それで少しばかりギクシャクしても言えば良かったんだ。
嘘をつき続けるなんて無理なんだから。
でも、やっぱり結局嘘まみれになって逃げてしまった。苦しい方向にと進んで行くのを選んだ。

他のみんなにばれた時のリスクをもいとわないような「本物」の覚悟なんて無いくせに。


私は美也子。十七歳。女。
傷付きたくない。














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