ネットの充実によって人との遠近感が欠けてきたように感じる。そんな今日この頃。
良いことか悪いことかは分からない。
けれど、風化してるようだなと思う。大きく硬かった岩が、軽い砂となって飛んでいくようだと思う。

ため息をついてスマートフォンの電源を落とす。
元彼のフェイスブックや激的にギャルに化けた友人のツイッターや一番の親友だったはずのあの子のmixiなんて、見たくないのについ見てしまう。

風化しきれてない私だけが、まだ強い結びつきを望んでいる。

「…こんなもんだったのかなぁ。」

こんなもんだったのかなぁ、私たちの高校三年間って。
そりゃあさ、二年くらい経ったけどさ、でもさぁ。

ベッドの上でごろごろと寝返りを打ち、足の指を閉じたり開いたり。昔からの私のくせ。見抜いた親友はもう私ではない親友を見つけて毎日楽しいらしい。仕事も上手くいってるんだと。
ギャルに化けた友人はそれなりに毎日を楽しく過ごしていて、毎週日曜日には高校の同級生の誰かしらといつも遊んでいる。

元彼は、私より数倍可愛い彼女を見つけてた。
本当の私を認めてくれる。ってなんだよ。私だって見せられてたら絶対認めてたよバカ。
彼女は私だけだって言ってただろーが。もう終わったもんは仕方ないけどさ。

じたばたと枕に八つ当たりしてみる。
楽しかった思い出のままでいたかったけど、それはどうしようもなく削られていく。
だって時間は進むし、人は変わる。
私だって変わってくくせに虫が良い話だとは思うけど。

「ちくしょー!みんな幸せになりやがれアホー!!」















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