ぱきん、ぱきん。
粉々になった道端のガラスの上を歩くと、それらは綺麗な音を立てるのでした。
そんな音色に、私はというと、重い荷物を抱えため息をつく。
よりによって今日に追試だなんて。
なんてついてないんでしょうか。
今日はみやこと遊んで帰る予定だったのに!こんなにも先生を恨んだ日はありませんでした。

ため息をもう一つつく。白い息は空の方へ上がってく。むくむくと沸き上がる悔しさや虚しさが胸を突き刺すのでした。もう、こんなことなら昨日もっと頑張って勉強すれば良かったなぁ。

「…みやこぉ。みやこぉ。」

小声で呟いてみても、白い息が上がるだけで、もちろんみやこが現れるわけなんて無いのですが。

今日、みやこは一人で帰ったのでしょうか。それとも誰かと?
私以外の誰かと帰っているみやこを想像すると、胸はちくちくと痛みを増したのでした。
それに、帰り道にナンパでもされてやしないか、とも思って気が気ではなくて。みやこはあぁ見えて意外と流されやすいので、止めてくれるような人がいないと駄目なのです。

そういった心配ごとはずっと頭の中を回っていて、マフラーに顔をうずめてみても白い息は溢れるばかりで。

なぜだか、ふっと嫌な予感が頭をかすめたのですが、私はそれに気付かないふりをして歩みを進めたのでした。














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