どうしてあなたに分かりましょうか、この気持ち。女の想いにすら気付けないあなたになど、一生をかけても解き明かせないでしょうね。
憎たらしくも愛おしいあなた。
計算かと思えるくらいのその愛らしい表情は、仕草は、一瞬にして私の胸の奥の小さな空間を満たしてしまうのです。溺れてしまいそうになるほど。
あぁ、あぁ。これこそが恋い焦がれるという事なのでしょうね。

「律子さん、律子さん私はね。私はあなたが好きで愛おしくてたまらないのです。」

女の気持ちにすら気付けない女など、好きになるもんかと意固地になっても仕方がないじゃあありませんか。
律子さん、律子さん。
あなたが女を嫌っているのは知っています。ばかな生き物だと。媚びる事しか出来ぬばかな生き物だと。
だけれど、それでもこの想いは押さえ切れぬのです。
だからせめて、あなたの嫌いな、媚びる女にはならぬよう。
あなたがたまらなく愛おしい。
だけどこれを伝えてはいけない。悟られてもいけない。

どうしてあなたに分かりましょうか、この恋い焦がれる想いを。
でも、どうか解き明かせないままでいて。

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