いくら幼なじみだとしても。
いくら同性だと言っても。
私はあなたに恋をしている。
それはどうしようもない事実で、罪で、あなたへの裏切りである。

それでも、あなたが愛しい。たまらなく愛しい。
風呂上がりの濡れた髪も、細く白い指も、左耳に開けている穴も、少しふざけてみせるとこも。
全部、だいすき。

「葉月、愛してるよ。」

横の寝顔に呟いてみても意味がないことは、知っているのだけど。
涙が出そうだった。
思わず手で顔を覆った。

「私もだよ?」

葉月は起きていて、確かにそう言った。私の空耳でなければ、確かに。

確認しようと手の隙間から彼女を見ようとすると、手をひっぺがされた。

「私もずっと前から、好き。好きだよ、夏美。」

ぎゅうっと私を抱き締める葉月。
あぁ、あぁ神様。こんな幸せなことって本当にあるんですね。
涙が出た。

あなたの好きなとこ。
風呂上がりの濡れた髪、細く白い指、左耳に開けている穴、ふざけてみせるとこ。とエトセトラ。
今日、意外と抱き締める力が強いこと。も追加。














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