甘やかな腕の中でおやすみ ※にょた黒・未来設定 もぞもぞする。 腕の中でなにかが動いているのを感じて目が覚めた。 「どーした?」 「…あついです」 もぞもぞ動いていたテツナが不満げな声でこたえた。俺の腕の中にすっぽりおさまって、まだ眠気から完全には覚醒していない俺を見上げてくる。身長差のせいで、テツナの上目遣いは見慣れていると思ってたけど、こうして見るとやっぱり可愛いなぁと思う。本人にはあんまり言わねぇけど。 「大輝くん、聞いてますか?」 「ん、聞いてる」 「あついですってば」 「ん」 明日、つうか日付は越えてるからもう今日か。休みだしテツナ連れてどっか行くかな。あー、でもこいつのことだから本が読みたいって言うかもな。本読み出すと俺のこと放っておくし、ちょっかい出すと怒るし、つまんねぇな。やっぱりどっかに連れ出すか。 「もう、あついって言ってるじゃないですか」 テツナの言葉を聞き流して、もう一度夢の世界に旅立とうとする。目蓋もすっかり閉じている。 「大輝くんパジャマ着ないんですか?」 「おー…」 「ボクは着たいです」 「別にいいだろ」 今夜も楽しくセックスして、その満足感と疲労感と熱に体を任せて寝たから、俺もテツナも下着くらいしか着てない。体力がないテツナが脱力してる間に最低限の後処理をしてやって、今に至る。テツナのお願いは耳に残らずすり抜けていく。俺風邪ひかねぇし、俺の体温でテツナも温かいだろうし。大丈夫だろ。素肌でくっつくの気持ち良いし。 「大輝くん」 テツナの呼び掛けに、もう寝るぞと意味をこめて背中をぽんぽんと叩く。赤ん坊のようだと拗ねてみせるけど、本当はこれをされるのをテツナは好きだということを俺は知っている。今だって、仕方ないですねなんて言いながら、また俺の腕の中で大人しくなった。予想通りの反応に、口元がにやける。 「明日は買い出しに付き合ってくださいね。お米足さなくちゃいけないです」 「わかった」 テツナが器用に俺の腕の中で寝返りして、俺の腕を枕にする。もう何年とこの姿勢でくっついてきたからか、パズルのピースがはまったみたいな、居心地の良さみたいなものを感じる。無意識に動いた手が、テツナの何年経っても変わらない柔らかくてすべすべもちもちの尻を撫でると、今日はもうダメですっつって腕をつねられる。ちっ。 「おやすみなさい、大輝くん」 「おー…」 あんまり変わらないようでいて、俺もテツナも確実に大人になっていって変わっていくけど、明日も明後日もずっと、朝起きたらテツナがそばにいるんだろうなと思ったらなんだかすごく安心した気分になった。さらに増した眠気に誘われるままに眠りについていく。ああ、あったかい。 END. →Thank you! 「かしこ」のBOBO様より相互記念に頂いてしまいました^//^ くろこっちの大輝くん呼びと腕枕にもだもだしましたかわいい…!!そりゃあおみくんめろめろになるわけです。 相互、共にこんな素敵な青黒をくださってありがとうございました! |