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たまには許して?
 


自分の身体の下にある細いけれど均整の取れた若い身体。玉の汗が浮かび、荒い呼吸に合わせて上下する胸は思っていたよりも色白で自らがつけた鬱血痕と胸の突起が妙に目を引いた。 

「っひ…、あっ」 

唾液を含ませて滑り込ませた指を中でぐりぐりと動かすと、敏感な部分を掠めたのか甲高い嬌声があがる。しかしそれは、主に市丸の情欲を煽るだけの役割しか果たさず当人にしてみれば不本意であるに違いない。 

「えっろい声すんねんなぁ、一護くん…?」 

「!ってめ…市丸、…っあ!っは、ん…っや、ぁ」 

「ここええのん?後ろでこんなんなるやなんて、変態さんやねえ…」 

くす、と笑んで、先走りの蜜を滴らせるものをやんわりと握り込むと手の内に収めたそれがぴくんと脈打つのを感じた。これで男は市丸で初めてと言うのだから恐ろしい。今後この身体を味わうのは自分だけだという確証はないから余計、苛立つ。 

「素質あるんちゃう?」 

その理不尽な苛立ちをぶつけるようにわざとからかうようなことを口にすれば、 

「っ、ばか、お前だけ、だっつの…っ」 

なんて、煽る気かと色々な面で突っ込みたくなる返事が返ってきて。その予想外の言葉は、態度に反して実はそれなりに余裕のなかった中心にずんと響いた。 

「!…そないかわええことこの状況で言うて、覚悟できてんねやろな…?」 

「んっ、ん…ぁ」 

耳元でくすぐるように囁く。するとそのもどかしい感覚に快感を感じ取ったのか一護の身体がふるっと小さく震え、中を掻き回す指を締め付けた。 

「ココは欲しがってんで?ボクのもん。」 

「っあ、んっあぁ!っ…や、あっん!んぅ…っ!」 

「めっちゃ締めつけてくんの、わかる?まだ指一本しか入れてへんのになあ…?」 

「も、い…っから…言うな、あっ…ひぁ、んン…っや、も…!」 

下から涙目で睨まれて、ずくんと下半身が疼いた。 

「っ、…えろすぎるわ、一護…っ」 

まだ解れきっていない後孔に切っ先を押し付けると、自身の先走りと一護のそれでくちゅ、と濡れた音がして押し付けたソコがひくんと収縮する。聴覚からも犯しているような錯覚を覚えて、抑え切れない嗜虐心が湧いた。 

「っあ、だめ…っま…市丸っ!」 

「無茶言わんといてえな…このままなんて耐えれるわけないやろ…っ?」 

「っあ、ぃ…っつ、…ふ」 

ぐっと力を込めて、己の欲望を一護の後孔に挿入していく。狭い隘路をこじ開けて全てを収めきると、口をいっぱいに拡げて市丸の分身を呑み込んでいる部分をそっと指でなぞるように触れてみた。 

「全部、挿入ったで…?ほら、見えるやろ?ボクのんくわえ込んで離さへん…」 

結合部を見せるために一護の両足を肩に掛けて、ぐっと腰を上げてやると途端にかあっと首から耳から全てを朱に染めた。 

「っ!や…っん、言うな…ってば、んの…へんた…っ!」 

「っ…、何や、言葉責め感じるん?すっごい締め付けてんで…」 

「ひあっ、…っん!…っや、いち…」 

締め付けがきつくなり、それを感じてずるっと自身を一度ぎりぎりまで抜き再び角度を変えて勢いよく打ち付ける。何度か抜き差しを繰り返すと、ぐちゅぐちゅという卑猥な水音が尚更情欲を煽った。 

「っは…きっつ、」 

「ひっ、あ…や、やめ…や、でか…っ!だめ、あ…っん!」 

硬い切っ先で何度もぐりぐりと前立腺を刺激してやれば、快感に身悶える一護は無意識に求めるような顔をして、これもまた無意識だろう市丸に甘えるように鼻先を擦りつけてくる。それに答えて口づけを与えてやればキスだけは積極的な一護は自ら舌を絡めてきて、いつもの姿が嘘のように色気を纏った。 
それに余裕がなくなるのは寧ろ市丸のほうだ。 

「なんやねん、ほんま…っ敵わんなあ…っ!」 

「っふあ、や…、…動いて…っ」 

「!っとに…たち悪いわ…っ」 

とめどなく溢れる愛液に白いものが混ざりはじめ、限界が近いことを知ってきつく擦りあげるとそこからぐちゅぐちゅと粘ついた音が立つ。前に触れるのと同時に同じく限界が近い己の屹立を引きずり出し、一護のそれを一層強く扱きながら最奥まで突き挿れてやった。 

「!っあ、ひああぁあ!!…っん」 

熱い楔に貫かれた衝撃で堪えきれない嬌声が迸り、その半瞬後に限界まで張り詰めていた中心が弾け白濁した液が二人の腹を濡らす。そして射精の瞬間に激しく収縮した後孔に破裂寸前のものを締め付けられ、少し遅れて市丸も一護の一番深い所に灼熱を吐き出した。 

「!っく…」 

「ぅ、っあ…中…っ、」 

「ん…?ええんやろ?生の方が、感じんねんもんなあ…。ほら、もう溢れてきてんで、ボクの。」 

「っあ、っ…ん…っから、言うなってば…っぁ!」 

まだ挿入したままの場所からどろりとした粘液が溢れ出て、ソコは余計ぐちゃぐちゃに濡れそぼった。そのあまりにも卑猥な光景に、達したばかりの性器が再び硬さを取り戻してしまい、自身の元気にほとほと呆れる。 

「!ちょ…っ、ま…て、何だよ!?何でまた勃って…っひあ!!?」 

「一護もまだ元気やんか。まだええ声出るみたいやし…?」 

挿れっぱなしのまま中で再び体積を増した市丸のものを感じてか、微かに芯を取り戻し始めた彼の熱をきゅっと握り締め、耳殻を甘噛みする。 

「っんン…ふ、ぁ…っ」 

「第ニラウンド、どうですか?」 

断れるわけがない甘い囁きを吹き込んで、完璧に硬さを取り戻した楔でゆったりと内壁を擦りあげた。 

「っん、っも…はや、く、しろっ…」 

「ほんま、かわええなあ…一護」 

背中をぎゅっと抱きしめてきた恋人に愛しさが込み上げて、正直すぎる男の身体はその穏やかな感情とは裏腹にすぐさま熱くなった。 

―――ま、欲望に忠実なんも、たまにはええやろ? 

一護に言ったら必ずどこがたまにだ!という文句が飛んでくるだろう言い訳を心の内だけで繰り返し、お互いの欲望を満たすべく愛しい恋人の頬にキスをした。 



おわり 



―――――― 
勢い余って書いてしまったただのERO話でした。やっぱり苦手ですうわあん 
しかしほんとにヤってるだけですね。