1 『I・Hね、青峰っちと戦うことになったんスよ。』 嬉しいのだと、自分にそう言い聞かせるような笑みを浮かべて彼はそんなことを言った。 嬉しくても、同時に辛くもあるはずなのに。 黄瀬涼太にとって、青峰大輝は絶対的存在であったのだから。 『だから、見に来てくんないスか?』 その笑顔を張り付けたままそう告げる彼の目は、いつになく真剣で、真摯な光を湛えていた。 けれど、どこか目の前に居る黒子に縋るようでもあって、黒子ではない、黒子の向こうに誰かの姿を見ているようでもあった。 それは黒子にとって少し淋しいことで、天真爛漫を絵に描いたような彼にこんな顔をさせる青峰が少し憎くも羨ましかった。 結局、部活動としてI・Hには来たけれど―― 試合前にはさすがに会うことはできなかった。 * 「負けねっスよ青峰っち」 「あん?ずいぶん威勢いいじゃねェか黄瀬 けど残念だがそりゃムリだ。そもそも、今まで一度でもオレに勝ったことがあったかよ?」 「今日勝つっス。なんか、負けたくなくなっちゃったんスよ、ムショーに」 黄瀬と青峰の会話は聞こえない。 二人は試合を楽しむことなんて考えていないのだろう、二人共笑みを浮かべてはいるものの互いを見るその目は狩る者のそれだ。そんな二人の様子に、数日前の黄瀬との会話を反芻する。 「――黒子っち」 部活を終えて部員皆でぞろぞろと門を出ると、校門にもたれて立っていた背の高い人影がゆっくりと腰を上げた。 そして、甘さを含んだ低いテノールが黒子の名を呼ぶ。 部活終わりの今だから平気だが、もし下校時刻に被っていたらきっと混乱が起きただろう彼の姿はやっぱり誰の目にも魅力的に映るのだ。 「黄瀬くん?」 「ちょっと話したいんスけど、今いい?」 「え?はい、まあ…」 「すんません、ちょっと黒子っち借ります」 柔らかな笑顔で黒子以外の部員に告げると、日向や伊月までもが頬を染める。やはりその男女を問わず惑わす美貌の破壊力は凄まじい。 「…あんまり不用意にそういう顔をしない」 「へ?どういう顔?」 自覚がないというのも恐ろしい。無邪気な面がある彼は基本的に人タラシの気があるのかもしれない。 今は黒子を好きだと言ってくれるけれど、芸能界という広くきらびやかな世界で仕事をしている彼がいつまで心を寄せてくれるのだろうかと、黒子はいつも心のどこかにほの暗い不安が巣喰っているのを後ろ暗く思いながらもその不安は拭えなかった。 「何かありましたか?」 「いや、あの…」 「?」 「IHのことなんスけど…」 IHは確か、海常対桐皇だったはずだ。黄瀬本人から報告された。 「なんか、俺と青峰っちの勝負みたいなことに、なっちゃって…」 気まずげにそう言うが、海常対桐皇の試合は実質黄瀬対青峰、エース対決になるだろう。正直なところ、二つのチームの実力に大差はない。だからこそ、勝敗を別けるのは各チームのエース、つまり黄瀬と青峰の実力差。二人の実力差がそのまま勝敗に反映されるといってもいい。負けたほうにとっては辛い現実だろうが、『キセキの世代』の名はそれほど重いということなのだ。そのプレッシャーを背負って中学時代ずっとプレイしてきた5人は伊達じゃない。 「それがどうかしたんですか?他の方々には申し訳ないですけど、実際そうなってしまうでしょう。」 「いやそれは、わかんないスけど…そういう意味じゃなくて、青峰っちが、『オレに勝ったら認めてやる』って言うんスよ…」 「!は…?」 「いや…!俺はそんなんする気なかったんスけど…」 「…わかってます、あの人は、強引ですから…」 青峰が黒子と黄瀬の関係を認めていないことはわかっている。 それは青峰が黒子を心配しているだけだということも、よくわかっているつもりだ。 ――その心配が、黒子の不安に基づいていることも。 一度、ついぽろりと漏らしてしまったことがある。 『黄瀬くんの気持ちがいつ離れていくのか、男が嫌になるのか不安だ』と。 そう零すまでは、青峰もそこまで黄瀬と黒子の関係に反対してはいなかった。だから、黄瀬が喧嘩を売られるのは黒子のせいでもある。 「すいません…」 「!黒子っちが謝ることじゃないっスよ!俺が断れなかっただけだし…」 そこで心底申し訳なさそうにする彼に、黒子の方こそ申し訳なくて仕方がなかった。元はといえば、黒子が余計なことを言ってしまったせいで ――あんな、自分勝手で根拠のない不安なんか己の内に秘めておかなければいけなかったのだ。 まして、関係のない青峰にまで余計な心配を掛けてしまうなんてとんでもない。 「すいません…」 「?大丈夫っスよ!絶対認めさせてみせるから。」 明るい笑顔を取り戻してそう言う彼になぜか寂漠とした思いが沸き上がり、同時に、純粋に自分の為に戦うと言ってくれる彼に対してそんな思いを抱いてしまうことに後ろめたさと申し訳なさを感じずにはいられなかった。 「…青峰くん…」 「何か言ったか?」 つい呟いたのを火神に聞き取られてしまい、不審がる火神に何でもないと首を振り前に向き直った事を確認して再び二人の様子を伺う。 それと同時に青峰が黒子に気付き、観覧席に目を向けてきた。 黄瀬が「賭け」のことを話すのは予想済みだったのか、当然だと思っているのかはわからないが、不審に思われない程度に黒子を見つめてくる。 ――まるで、黒子の不安は自分が取り除くのだとでも言うように、いつもの傲岸不遜さなど欠片もないその瞳はひたむきだった。 ただ、黒子のため――。 それを思ったら何も言えなかった。 自分達二人の問題だからと突き放す事などできやしない。なぜなら、黒子は青峰に不安を取り除いてほしいと願ってしまっているから。当事者同士の問題だと突き放すには、黒子は青峰を頼りすぎていた。 そんなのは黄瀬にも青峰にも失礼だとわかっていても。 『――それでは準々決勝第二試合、海常高校対桐皇学園高校の試合を始めます』 試合開始のホイッスルが鳴る。 それと同時に観客のざわめきも一瞬途絶え、次の瞬間には何倍にも膨れ上がった歓声が再び会場内を満たした。 * 「っ…すげえ…」 そう漏らしたのは誰だったのか、試合、というよりは黄瀬と青峰の攻防に目を奪われていた黒子には定かでない。 しかし皆一様にそうであったと言い切れるほどに両チームのエースは一歩も譲らない激戦を繰り広げ、そのエース対決は幾度も繰り返されていた。 ボールを持っているのは勿論二人ばかりではない。しかし二人の存在感と、圧倒的な実力の前には強豪校の如何なる選手であろうと霞んでしまう。 ――やっぱり、彼等は紛う事なき天才なのだ。 黒子とは格が違う。 ――最終的な場面では何もできない自分などとは比べるべくもない。 中学校時代、強豪と言われる帝光バスケ部の一軍として同じチームでプレイできたのは黒子が『天才ではなかったからだ。 努力次第で『スペシャリスト』にはなれても、それ以上は望めない。 それが、黒子とキセキの世代の決定的な差異。 「黒子はどっちが勝つと思う?」 「!え…ああ、はい…正直わかりません。 でも…黄瀬くんが1on1で青峰くんに勝ったことは、ありません…」 『!』 それはあくまでも中学時代のことだ。今はわからない。 ――…けれど、黄瀬が青峰に勝てなかったのは実力差ばかりの話ではないのだ。 「黄瀬くんは…青峰くんに憧れてる限り、勝てません…」 呟いた声は、誰の耳にも届かなかった。 そして、海常、桐皇の両校共が大きな差をつけることもつけられることもなく第1、2Qが終了する。 この休憩時間で選手達は一度控室に戻ったが、会場内の熱気はそれでも覚め遣らぬままだ。 その休憩時間、一年生全員が飲み物の買い出しに駆り出されたはいいものの、会場を出てすぐに黒子はその影の薄さで以て逸れてしまい仕方なく外のバルコニーへ足を向けた。 特に意図したことではなかったが、何とそこには控室で休んでいるはずの黄瀬の姿があった。 「あ…」 「え?」 「黄瀬くん」 「!?」 手摺りに肘をついて何やら考え込んでいた様子の彼の名を呼び掛けると、面白いように表情が変わった。試合中の凛々しい男前はどこへやら、目を丸くして口をポカンと開けたどこか間の抜けた表情は、けれど、あまりに格好の良すぎる彼よりも黒子の好きなものだった。 端整な容貌を意識しないでただ笑っている彼の方が何倍も眩しい。 だからこそ打算なんて欠片もないような、そんなこととは無縁の彼が打算だらけの世界に居ることに違和感を覚えてしまう。 バスケをしている彼はまた別なのだろうけれど。 「黒子っち!?何でここに!?」 「はぐれました。」 「は!?」 はぐれたのは事実だ。 ここに来たのは、 ただの偶然。目的もなく、もちろん黄瀬が居ると知っていたわけもない。 そんなことは黄瀬も承知の上だったのだろう、何故、なんて聞いても詮ないことを聞くつもりもないのか驚きに一度浮かせた身体を再び手摺りに預け、ジャージのポケットに手を突っ込んで黒子を下から覗き込むように見た。 「…ほんとに来てくれたんスね」 一瞬目を合わせた後、すぐに逸らして微笑む。 「来てと言ったのは黄瀬くんじゃないですか」 「はは、まあそうなんスけどね。黒子っちが来てくれるかどうか不安だったから。」 そんなことを言いながら心底嬉しそうな顔をするものだから、部活で来たとは言えなくなってしまった。部活で見に来ることがなかったら一人でも来るつもりだったが、結果的にはこれは部活動の一貫にである。 黄瀬は黒子のために青峰と闘うと言ってくれたのに、来ない訳がない。 見届けない訳にはいかない。 青峰に勝つということはつまり―― 「ごめん、もう行かないと。」 「!あ、はい…頑張って下さい。」 「ん、ありがと。…覚悟はあるんスよ、これでもね」 「っ!」 「じゃあね!…勝っても負けても、終わったら連絡するっスから」 言い終えると黒子からのそれ以上の言葉を避けるように小走りで控え室に戻って行った。 * 黄瀬はわかっていた。 青峰に勝つ、その意味。 必要なこと。 そして、覚悟もあると言った。 青峰を越える、 青峰に憧れるのをやめる―――その覚悟。 憧憬の代償は無償の愛。 青峰は陳腐だと笑うだろうか。 けれどそれは黄瀬にとって、黒子にとってあまりにも重い。 ――黄瀬が得るものは何もないのだから。 黄瀬にそこまでさせる価値が自分にあるのか? 今の「黄瀬涼太」を形作ったモノを奪う権利が自分にあるのか? とめどなく溢れてくる答えの出ない反問を繰り返し、その場で蹲った。 黄瀬が青峰に勝ったなら、黒子の不安はなくなるかもしれない。 そうでなくても青峰が黄瀬のことを認めたなら、或いは。 それでいいのか、黄瀬と青峰が闘うのを見ているだけの自分が1番の安寧を得ていいのか。 いくら考えても、答えは出なかった。 * 「どこ行ってたんだよ。いきなりはぐれやがって」 「すいません」 文句を垂れながらも黒子の分のスポーツドリンクを買っておいてくれたらしく、手渡される。 「ありがとうございます。」 素直に礼を言って受け取ると火神は照れたように不機嫌な顔をして前を向いた。 第3Qが始まると、途端に試合は動いた。 「――!!」 黄瀬の動きが明らかに変わる。 それは彼が憧れ、焦がれ続けたその人のプレイスタイルに酷似していた。 「黄瀬くん…、」 「おい、あれ…」 「はい、黄瀬くんがやろうとしているのは…青峰くんのコピー…」 ――覚悟。 彼は憧れを捨てた。 憧れるのではなく、越えようとしている。 キセキの世代絶対的エースを。 黒子のかつての『光』を。彼自身の絶対的存在を。 そして、 『試合終了―――!!』 ―――黄瀬は、負けた。 海常の選手達が控え室に戻っていく中黄瀬はひとり青峰のもとへ行き、二言三言交わすと他の選手達に続いた。 たった一瞬、彼は黒子に目を向けた気がした。 ピリリリリピリリリリ… 「…はい」 『黒子っち?』 「はい…」 『ごめん、負けちゃった…っ、ごめんね。』 無理に笑顔を浮かべているのが容易に想像できる、明るくて、なのに震える声で告げる。 「青峰くんと、何話したんですか。」 『見てたんスか…』 言いながらも声音に驚きは滲んでいない。 大方、予想していたのだろう。 『後で、さ…三人で話そうって。』 「…そうですね。その方がいいです、ちゃんと…決別しないと…」 『え…っ?黒子っち!?今何…』 ブツッ 黒子の言葉を聞き咎めた黄瀬が何か言うのを今度は黒子が避けるように強引に通話を切った。 そして、再び黄瀬からの着信が来る前にとすぐさま青峰の番号を呼び出し、発信ボタンを押す。 ワンコールで青峰は出たが、ほぼ同時にキャッチを知らせる電子音が鳴った。このタイミングならおそらく黄瀬だろう。 ぎりぎりセーフと内心安堵する暇もなく、こちらから掛けたにも関わらず青峰からの先制が鼓膜を震わせた。 『テツ、今何処だ?黄瀬も呼ぶからお前もすぐ桐皇の控え室まで来い。場所わかるな?』 「はあ…」 『おし、とっととしろよ。じゃあな』 ブチッ…ツ―ツ―ツ―… 「…」 黒子から掛けたはずが、黒子が用件を告げる間もなく通話が切られてしまった。全く以って青峰らしい。用件は向こうから済ませてくれたので問題ないが、すぐに行かなければ何を言われるかわからない。彼は傲岸不遜さなら誰にも負けない帝王だ。 ひっきりなしに着信する携帯はひとまず無視して 記憶を頼りに小走りで青峰が待っているはずの桐皇の控え室に向かった。 * 「テツ、おせえよ」 電話の後まっすぐに走って来たというのにこの言い草。だが彼は黒子のためにこの場を設けてくれたに違いないので口をついて出そうになったそんな文句も抑える他ない。 「黒子っち!さっきの何!?何スか決別って…!?」 控え室に設置されたベンチに座っていた黄瀬が扉の前から動かない黒子に詰め寄ってくる。 やっぱり好きだなあと、今更に思った。 だからこそ、 「そのままの意味です。黄瀬くんは負けた。だから別れるんです」 負けた、と口にした瞬間黄瀬がきゅうっと眉間に皺をよせ柳眉を下げるのを見て黒子も心臓の辺りにキンと嫌な痛みが走るのを感じた。 傷口を抉るようなことはしたくなかったけれど、言葉がわからない。 こんな時ばかり上手い言葉が見つからない己が恨めしい。 何より、黄瀬を悲しませることしかできない自分が嫌で仕方ない。 自分が何をしても結局彼は傷付く。 「何でそうなるんスか?青峰っちが認めてくれないとダメなの?何で?」 そうじゃない。青峰は黄瀬を試しただけなのだ。 黒子のために憧憬を捨てられるなら、黒子の不安はなくなると。 「違います。青峰くんが認めてくれるとかくれないとか、そんなことじゃないんです。」 「じゃあ何?!」 「…黄瀬くん、君は 青峰くんへの憧れを捨てちゃ駄目なんです。」 「!?何?それ…」 二人のやり取りを見守っていた青峰が腰を上げる。 「…認めてやるよ。黄瀬のこと」 そう、黒子に向かって言った。 わかっている。黄瀬が青峰を越えようと覚悟を決めた時点できっと彼の中で黒子が抱えた不安はなくなったのだ。 「テツ、こいつは決めたんだよ。オレへの憧れなんかよりテツを選ぶって。だからオレは黄瀬を認めてやんだ。負けたかもしれねえけど、こいつはオレを本気で負かそうとしてきた」 黒子に詰め寄る黄瀬の肩を強めに叩いて黄瀬を激励する彼はもう黒子のために動いてはくれない。 そうじゃない。 そうじゃなくて 黒子が思うのはもう不安とかそんなことではない。 自分勝手な不安や疑心は個人の問題で、黒子ひとりそれを隠し通せばどんな思いをしようが構わないとすら思う。 青峰のおかげで、黄瀬がいつ離れていってしまうかが怖いなんて不安はなくなった。 けれど、じゃあ、 黄瀬が黒子のために何かを投げ出してしまうのだとしたら? 黒子ではなく、何か他のものを捨ててしまう。 他の何よりも黒子を選んでくれてしまう。 一度心を赦しきった人には一種異様なほどの執着を見せる彼は、今黒子にそれを向けている。 ――それだって、黒子にとっては同じくらい辛い、怖いことなのだ。 自分のために他人に何かを捨てさせるというのは、 ――重すぎる。 「黒子っち、何でそんなこと言うんスか…?俺のこと嫌いになった?もう要らないの?」 肩に受けた衝撃など気付いてすらいないような彼は、ただ黒子の言葉が信じられずに肩を痛いくらいの力強さで掴んでは揺さ振る。 手加減なしに掴まれた肩はギリギリと刺すような痛みを伴い、その痛みは黒子の心までもを浸蝕し、それでもその手を振り払うことなどできなかった。 この程度の痛みは、きっと黒子が与えた彼の痛みに比べれば甘んじて受け入れるべきものだ。 「…嫌いとか、そういうことじゃないです」 寧ろ、そちらのほうがよかったのかもしれない。 嫌いになれたらよかった。 嫌いになんてなれないから、彼が何かを捨てていくのが怖いのだ。いっそのこと嫌いになれたら、彼が自分のために何かを捨てていくのをただ単にそれを「愛」だと見ていられたかもしれないのに。 嫌いになんて、させてくれないのは黄瀬の方だ。 なのに彼は非情にも、嫌いになったのか、なんて黒子には答えられるはずもないことを問うてくる。 「じゃあ何で!?そうじゃないなら…っ何で別れるなんて…!」 その綺麗な顔を涙でぐちゃぐちゃにして懇願する彼は、『別れ』に対して異常な恐怖を感じている。 それは、中学時代に一度黒子との別離を経験したからだ。 全中3連覇を果たした後、誰に何を告げることもなく『彼等』の前から姿を消した黒子。 その時彼が味わっただろう空虚と絶望、喪失感、そういうものを、きっと彼は黒子と再び相見え、昔とは違う関係を築いた今でも忘れられていないのだ。 それ程に深い闇を、黒子は黄瀬に作ってしまった。 「だからですよ…っ」 「お前が何考えてんのかわかんねえよ、オレには」 青峰が投げやりにベンチに腰を下ろして苛立ちを滲ませる。 → |