馬鹿って言われる方が馬鹿なんです。 ※若干下ネタ 「僕、ときどき思うんですけど」 「うん?」 「…真の馬鹿って、赤司くんだと思うんですよね。」 黄瀬くんでもなく。 緑間くんでもなく。 赤司の膝の上に載せられた不安定な姿勢のまま、黒子は遠慮なく言ってみた。 クラスメイトたちの注目を集める衆人環視の中、躊躇いもなく黒子を膝に座らせた赤司を馬鹿と形容せずして何と言おう。抵抗しないお前もお前だ、と青峰あたりには言われるかもしれないけれど、抵抗なんて無意味だとわかっているからこその無抵抗であって、黒子が了承を示しているなどと思われては心外にもほどがある。 「何だ急に。黄瀬はまだいいとして緑間よりってのは納得できない」 どうやら人を見る目まで馬鹿ではないらしいが、如何せん自分を省みることをしない人だ。 天才というのは得てして変人であるとは既に知るところではあったものの、変人と馬鹿が紙一重だとはいくら黒子とて知るはずもなかった。 「馬鹿でしょう、本物でしょう。」 今の体勢でうんざりと言ってみても説得力など欠片もないことはわかっているが、呆れは隠せない。 「なら大人しくオレの膝に収まってる黒子も馬鹿だろう」 「君に言われたくはないですね。抵抗したら離してくれるとでも?」 「まあ無駄かな」 じゃあ端から言うな、と口をつきそうになるのをすんでで堪えて、せめてもの意趣返しに脛を踵で蹴ってやった。 弁慶の泣き所?弁慶はいいから赤司の泣き所を教えてくれ、と黒子は切実に思う。 ―――弁慶の泣き所はどうやら赤司の泣き所ではなかったらしい。 その悔しさからどうにか文句を探し、 「…お尻痛いんですが」 いかにも取ってつけたようではあったが実際硬い腿に座らされていいことなどひとつもない。あえて言うなら大腿筋の違いを思い知らされてへこむだけだ。 「何だ、卑猥なことを真っ昼間から言うな黒子」 「何が卑猥ですって?」 「安心しろ、後でたっぷり可愛がってや…っ」 赤司の泣き所はどうやら股間のようだ。 「――――っおま…っ不能になったらどうしてくれる…!!」 「僕の貞操が守られて万事解決ですね。」 「鬼畜か…!」 「どうとでも。」 黒子を膝に載せているせいで前屈みになれない赤司は若干涙目になりながらそれでも黒子を下ろそうとはしないで、むしろしがみつく勢いだ。 「しがみつかないでください、痛いです」 「誰のせい、だ…っ」 「どこかのお馬鹿さんのせいですかね。」 こつん、こつん、と黒子が足をぱたぱたと揺らす度に踵が脛を叩く。 ―――傍から見ればただのバカップルだとは、黒子も赤司もついに気が付かないのだった。 (脛痛くないんですか) (オレは弁慶じゃないからね) (……………………へえ) Fin ―――――― 赤黒…………?になっているのかどうか微妙な………感じ… 中学時代だからこの口調でいっか!との結論ですいつか直しますごめんなさい |