愛しのレベッカ ※赤司くんが変態 ※赤→→→黒 テツヤはかわいい。 きめ細かい白い肌に細くしなやかな身体はどこか少年特有の不安定さを孕み、だからこそ暴きたいという欲に駆られる。大きな瞳、小ぶりの鼻と桜色の唇が絶妙のバランスで収まった小さな顔は表情の乏しさも相俟って人形じみているけれどその分時折見せる花が綻ぶような微笑はあまりに可憐だ。 やわらかなミルキィブルーの髪と長い睫毛に縁取られた空色の瞳は日の光の下できらきらと輝いて目を奪う。 とまあこのようにテツヤの魅力を語りだしたらキリがない。先に語った容姿ばかりでなく性格や振る舞いまで、やることなすこと可愛らしくて困ったものだ。 「…ねえ聞いてる?テツヤ」 「聞こえません聞きたくもありません」 そう言って手に持っていたバスケットボールをリングに放る。けれどボールは惜しくもネットをくぐることなく弾かれてテツヤの手の中に戻ってきた。 「狙ったなら中々すごいね」 「嫌味ですか」 非難の意味を込めて向けられた冷たい色の瞳すらうっとりするほど綺麗だけれど、嫌味だなんて思われるのは心外である。 僕はこんなにテツヤのことがかわいくてかわいくて仕方ないのに。 「とんでもないよ、シュートが下手なテツヤもかわいい」 「わかりました死ぬ気で上手くなればいいんですね」 「知ってる?世の中にはツンデレ萌えというものがあるらしい。真理だね」 まるでテツヤのためにあるような言葉だよね、と言ったら冷たい一瞥を頂いた。 上目に睨まれてもぞくぞくするだけだよ、と言ったら今度はバスケットボールが飛んできた。 「ツンデレなら緑間くんの十八番です、眼鏡オプションもついてお得ですよ」 真太郎のことを引き合いに出すなんてテツヤは意外と駆け引き上手らしい。 愛情を試す小悪魔というやつだろうか、でもテツヤはいつでも僕の天使なわけで小さかろうとなんだろうと悪魔になんてなりえない。 「安心して、僕はツンデレ萌えなんじゃなくてテツヤ萌えだから」 「赤司くんの日本語理解と将来がこのうえなく不安です」 僕の将来を心配してくれるなんて、テツヤはなんていいお嫁さんなんだろう。 「心配してくれるの?優しいねテツヤ」 「ですから赤司くん日本語理解してます?」 「大丈夫、テツヤを路頭に迷わせたりはしないから安心して嫁にくるといいよ」 「路頭に迷っても赤司くんには頼りませんからご安心を」 それくらいの甲斐性はあるつもりだ。 僕が世間の役に立たないなんてことは天地がひっくり返ってもありえないのだから必要なら今からだってテツヤを養える。 そこまで考えて、急に視界が開けたような気がした。 「…――ああ、そうだよ、何で今まで気付かなかったんだろう」 「はい?」 「結婚しよう、テツヤ。最初からこうすればよかったんだ」 本当に、何で今まで気付かなかったんだろう。かわいいかわいいばかりで現実的な問題を考えてこなかった、僕としたことがなんて失態だ。だからテツヤも不安だなんて言ったのかもしれない。悪いことをしてしまった。 「………赤司くん」 「うん、なに?遠慮ならいらないよ、僕の胸に飛び込んでおいで?」 腕を広げた僕を悩ましげに見つめる表情もたまには色っぽくていい。かわいいだけじゃなく色気があったり男前なところもあったりとテツヤは本当に魅力が多過ぎて僕は気が気じゃない。まあ誰に渡す気もないけれど。 「丁重にお断りさせて頂きます」 まったくテツヤの照れ屋には困ったものだ。 ―――かわいいんだから。 (照れなくていいのに) (え?…いや、あの…、) おわり ―――――― 変態な赤司くんが書きたかったんですけどどこまで行っても平行線を辿りそうで…。 むりやり感が否めませんすみません駄文にもほどがありましたすみません一人称いみわからんですこのひと誰…! |