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「終わったら薬塗りますからね。」
「あ、ぁ…ふっ、わかった、から、も…」
潤滑油を十分に垂らして入念に慣らす。二本の指を広げたり指の最後まで入れてバラバラに動かしたり。俺に乗っかってべったりと体が密着している。腰が揺れて自分のものが擦れると、とても可愛い反応をした。
「ん、左京さん…さっきみたいに、来て。」
「さっき…?」
「自分で腰振ってましたよね。それです。」
「っ、嫌だ。」
「だーめ。逃げないでください。」
体を起こして離れようとしている腰を両手で掴んで腹の上に留めさせる。
「やらなきゃ駄目か…?」
「今度は気持ちイイですよ。」
意を決するように息を吐いて腰を上げた。俺のを持ち徐々に入っていくのが見える。エロい。いい眺め。
「ぁ、うぅ、あ、ハル…」
腰を撫でているだけの俺を困惑したような表情で見る。動けってか。
「自分で、ね。」
目を小さく開いて耳が真っ赤になった。わなわなと震え出し、俺の腹を弱い力で何度も殴ってきた。かわいい。
その手を捕まえて恋人繋ぎにする。俺と目が合ってすぐに俯いた。握り返してくれたから嫌ってわけではないっぽい。
「ん、っ…はぁ、」
緩い動きしかしない左京さん。焦れったい。さっきは先っぽから尻がぶつかるくらいまで深く上下してたのに。
こうやって恋人と認識してするのは恥ずかしい、とかだったら嬉しいんだが。
「辛い?」
「ん、」
「頑張って。」
「こ、の…!」
笑いかけたら舌打ちされた。仕方ないから少しだけ下から突く。腰が跳ねて俺の手を強く握りしめた。
「っん!かっ、てに、動くな…っ!」
「左京さん待ってたら朝になってしまいますよ。」
「あ、あっ、ぁあ!」
俺が動くのに合わせて甘い声を出す。バチンと皮膚が触れ合う音、淫らな音。力が抜けてされるがままだ。この押し寄せてくる快感から逃げたいのか必死に頭を左右に振る。それでも俺の手は離さまいと握る姿が愛おしい。
腕を引いて力なく倒れてきた左京さんを受け止める。耳元で自分の名前を掠れた声で呼ばれ、めちゃくちゃ興奮した。
手を解き腰を支える。むくりと頭を上げた左京さんが俺に噛み付くようなキスをしてきた。しばらく左京さんが好きなようにしているのを受け止めていたら、唇が離れてガブッと鼻を噛まれた。
「痛い…」
「手、」
むす、と不満そうな顔をする。左京さんが言ったことを理解するのに時間がかかってしまったが、確かにこの人は"手"と言った。
「…離すな。」
左京さんを下にして動けなくなるくらいまで襲い続け、死んだように眠る未来はもう既に見えていた。
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