ついすて小説 | ナノ

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「リドル、まだ勉強してるの?」

「……。」

「おーい、リド…」

「ボクの邪魔をするようだったら出てってもらうよ。」

頭も体も机に向かったまま厳しいお言葉をいただいた。
もう夜中の12時を過ぎようとしているのにまだつらつらと小さい文字で書かれた書物を開いてペンを動かし続けている。

俺は少し離れたソファでリドルの後ろ姿を眺めていた。決して暇ではない。


はやく休んでほしいと思って声をかけるが、全然聞く耳を持たないのだ。
飽きずに何時間も勉強して、字を見るのが苦手な俺には苦痛でしかないというのにリドルは平気なんだろうか。

そんなわけないよな。

「そんなこと言うなよ。もう寝ないと朝起きれないぞ。」

「このボクが寝坊?ありえない。」

頑固で我儘なハートの女王は俺の一言では揺るがない。わかっている。

でも心配は心配なんだ。一応、恋人だし…一応。
トレイみたいに美味いパイやタルトは作れないけど、リドルのお許しを得て隣に立たせてもらっているんだから。

「ありえなくても、リドル自身が大丈夫だと思っても、俺が心配す…」

「っうるさい!ボクのやることに意見するつもりか?!」

「そこまでは言ってないよ。」


「ボクのことはほっといてくれ…っ!」

ダンッ、と机に拳を叩きつけたリドル。
あーこれは相当追い詰められてんな、と呑気に考える。


「…はぁ…」

「っ、」

落ち着かせるために温かい飲み物でも淹れてあげようと腰を上げる。部屋を出るまでに一切こっちを向いてはくれなかったけど、めげない。

パタン、と扉を閉めて1人部屋に取り残されたリドルの表情なんてわからない。

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