もし出会わなければ | ナノ
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▽ 5-5



Another side 2


「昴さんに彼女がいるかどうか?」

朝、学校へ着くなり歩美が俺の元に走って来たと思ったら、開口一番にそんなことを聞かれ思わずぽかんとしてしまう。


何を言い出すのかと思えば、昨日母親とショッピングモールに買い物に行ったときに、昴さんが女の人と一緒にいたらしい。


「あれは絶対昴さんだったもん!仲良さそうに可愛い女の人と買い物してたの!」

やっぱりデートかな?と頬を赤らめる歩美。


昴さんがデート?・・・・・・いや、ないだろ。
なんの理由もなく、あの人がそんな事をしているとは思えない。

そこへ登校してきた元太と光彦が話に加わる。


「何の話をしてるんですか?」
「今日の給食の話か?!」
「もう、元太くん!朝ごはん食べたばっかりでしょう」

そう言いながら元太の方を見た歩美が、「あぁ!」と声を上げる。

「そうだ、思い出した!あのお姉さんだよ!この前元太くんのことを助けてくれた人!!」

どうやら昴さんと一緒にいたという女性は、ポアロで元太が怪我をしそうになったところを助けてくれた人らしい。


「あの優しいお姉さんと昴さんだったらお似合いだなぁ」
「あの姉ちゃんの彼氏が昴さんってことか?!」
「だったら昴さんに聞けば、また会えるかも知れませんね」


そういえば、ポアロに安室さんのケーキを食べに行くって言ってた次の日にそんな話してたな。


あのお姉さんにお礼が言いたいよね、と言っていた3人の姿を思い出す。


「朝から元気ね」

灰原が隣に座りながらこちらを見る。


「なぁ、おめーは昴さんに彼女いると思うか?」
「あら、別にいてもおかしくないんじゃない?いい歳した大人なんだし」

そりゃそうだけどよ・・・・・・。
思わず顎に手をあてて考え込む。


赤井さんに彼女はいないだろうし、沖矢昴の姿になってから、わざわざそんな関係の人をつくるとは考えにくい。


わっかんねー。

今度昴さんに会ったときに聞いてみればいいか、そう思いながら授業の準備にとりかかるのだった。

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