もし出会わなければ | ナノ
×
「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


▽ 5-3



梓さんとの会話がひと段落し、昴さんのところへ戻る。


「長々と話し込んじゃってごめんなさい」
「大丈夫ですよ。女性同士盛り上がる話もあるでしょうし」

昴さんは謝る私に笑顔でそう言ってくれる。


きっと私があんな風に女の子と話すのが、久しぶりだということに昴さんは気付いているんだろう。気遣ってくれる優しさに笑みがこぼれる。


「じゃあ僕達はまだ買い出しがあるので、そろそろ失礼しますね」
「なまえさん!またポアロに遊びに来てくださいね!」
「はい!またお邪魔させてもらいますね」

カートを押しながら去っていく2人の背中を見送り、完全に見えなくなったところで昴さんの方へ向き直る。


「こんな所で会うとは思ってなかったです・・・・・・。2人にしちゃってごめんなさい」

久しぶりのガールズトークにテンションが上がったとはいえ、あの状況で安室さんと昴さんを2人にしてしまったことに今更ながら申し訳なさが募る。


「気にしなくて大丈夫ですよ。彼と話すのは新鮮で私も楽しかったです」

たしかに赤井さんの姿で安室さんと談笑するところは想像できない・・・・・・。


「そう言ってもらえると、心が軽くなります」

買い物の続きをしましょうか。昴さんのその言葉で本来の目的を思い出す。


そうだ!差し入れ!!
少しでも昴さんの役に立ちたいという思いから、私は頭の中でメニューを考えながら店の中をまわるのだった。

prev / next

[ back to top ]