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▽ 4-8



安室さんのキラキラ笑顔にどうにか耐えつつ会話を続けていると、自宅であるマンションが見えてきた。


「あ、あのマンションなのでここで大丈夫です」

私がそう言うと、わかりましたと車を路肩に寄せる安室さん。


「送っていただき、ありがとうございました」
「いえ、こちらこそご迷惑をお掛けしてすいませんでした」
「本当にもう大丈夫ですから、気にしないでください」

もう一度頭を下げて、じゃあ失礼します。とマンションに向けて歩こうとしたところで、車から降りてきた安室さんに呼び止められる。


「あの!よかったら連絡先を教えてもらえませんか?やっぱり怪我の具合も気になりますし」

どうしよう。必要以上に関わらないどころか全力で関わっちゃってる・・・・・・。


昴さんには、したいようにすればいいと言われてはいるものの本当にいいんだろうか。


そんなことを考えていたせいで返事が遅れてしまう。そのせいか安室さんは、私が連絡先を教えるのを躊躇っていると思ったらしい。


「駄目・・・ですか?・・・・・・もし難しければ・・・「・・・・・・っ、大丈夫です!これ私の連絡先です」」


悲しそうに眉を下げる安室さんの姿に、思わずそう言ってしまった。

悲しそうな表情も演技かもしれない、そう思いながらも止める事は出来なかった。


やってしまった・・・・・・。
ハッと我に返ったときにはもう遅い。


笑顔でありがとうございます、と言いながら携帯を出す安室さんを見ながら、これは後で昴さんに報告しなければと思うのだった。



「────・・・ということになりました」

部屋に戻り片付けを終えると、昴さんに電話をして今日の出来事を伝える。


「安室くんのことより、なまえさんの怪我は大丈夫なんですか?」
「あ、はい。それは大丈夫だと思います。そこまで大きな火傷ではないので」
「ならいいのですが・・・・・・。ひどくなるようなら病院に行ってくださいね?」

安室さんに言われたように、昴さんにも念を押される。


「わかりました」
「それで安室くんのことですよね?」
「はい。必要以上に関わらない方がいいとは分かっていたんですけど・・・・・・」
「私のことは気にしなくて大丈夫ですよ。なまえさんの素性さえバレなければ、そこまで厄介なことにはならないと思いますし」

色々と確執はあるけれど、大きく分ければ彼はこちら側の人間ですし。そう言ってくれる昴さん。


その確執が大きすぎるんだよな・・・・・・。


「それになまえさんの人生は、どの世界でもなまえさんだけのものですよ。だから必要以上に私に気を使う必要はありません」


私の人生か・・・・・・。

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