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▽ 18-3



「・・・・・・はぁ」

一人きりになった部屋に溜息が響き渡る。ぺたりと机に顔を伏せた私は、先程の出来事を思い返す。


こうなることくらい予想できたはずなのに・・・・・・。


赤井さんのことを口に出せば、降谷さんが普通に話を聞いてくれるわけがない。あれでもまだ抑えてくれていたんだろう。あの時の彼の顔を思い出し、今更後悔が襲ってきた。


和解なんて簡単にできるわけない。赤井さんが真相を話さない理由も、降谷さんが彼を許せない理由もどちらも痛いくらいに理解できるのだ。


降谷さんが話を切り上げて部屋を出ていったのは、きっと私とこれ以上の衝突を避けるためだったんだろう。


「どうすればよかったんだろ・・・」


降谷さんが昴さんのことを知ってしまえば、きっと彼らの衝突は避けられない。そんなこと分かっていたのに・・・・・・。





どこかで期待をしていた。


私の話なら聞く耳を持ってくれるんじゃないか。分かってくれるんじゃないか。


でも現実はそんなに甘くない。


軽々しく和解してほしいなんて言えるわけがなかった。



思い出したくない過去・・・・・・

消したい過去・・・・・・


いつかの彼の言葉を思い出す。

あの時の悲しげな表情が、頭にこびりついて離れない。


一緒にいる時間が長くなればなるほど、あの時の言葉の裏に隠された彼の心が垣間見えるようになった。


大切な思い出を忘れたいわけがないんだ。


ひとつひとつの過去があるからこそ、今のあの人がいる。



それに降谷さんが一番許せないのは赤井さんじゃない。


それはきっと・・・・・・、


・・・・・・


・・・・・・


・・・・・・


大切な物を守れなかった自分自身なんだろう。


それを知っていて、簡単に口出しなんてできるわけがなかった・・・。

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