二人 ※if世界『もしジュリウスが無事に戻っていたら』 ※というわけでジュリウスがいます。ご注意ください ヒュオオオ、と冷たい風が頬を撫でる。それにブルリ、と身体を震わして辺りを見回す。そこには、大量のアラガミ……中型アラガミから大型アラガミまで様々なものが……無残に食いちぎられたような死体で転がっていた。 彼女、ユキはフゥー、と長く息を吐き出して空を仰いだ。 「ユキ」 「きゃっ」 唐突に後ろから肩を叩かれ思わず驚きの短い悲鳴を上げる。 「すまない、驚かせてしまったか?」 「ジュリウスっ……そっちは?終わりましたか?」 「あぁ。……敬語」 「あっ」 その言葉に、ユキはハッとして片手で口を覆う。その反応に、薄っすらと笑みを浮かべる彼。 「まだ、慣れないのか?」 「そりゃ……そうで、……そうだよ。だって……貴方に、隊長って呼ばれるのも、違和感なんだもん……」 神機を持ち直して、ユキはそっとジュリウスに近付き、肩に顔を埋めた。 「どうした?」 「……何でも、ないよ」 神機をもってない方の手でジュリウスは彼女の肩を抱く。しばらくそうしていると、何処からかヘリの音が聞こえてきて、二人は同時に空を見た。 「お迎えだな」 「そうね。……ねぇ、ジュリウス」 「ん?」 「……帰ったら、食事でもどう?」 「そうだな。ヴィレも戻ってくる頃だろうしな」 「うん!ギル達もいるといいなぁー」 (7/14) |