久々の対面

「よぉー、元気そうだなー」

「り、リンドウさんっ!?」


背後から、随分と懐かしい声がして思わず振り返った。そこには変わらない、リンドウの姿。


「お久しぶりです!いつ戻って……?」

「ついさっきだよ。いやーお前も変わってないなぁー」

「リンドウさんも変わってないですね。サクヤさんとは上手くやってますか?」

「おうよ。ま、今はちょっと緊急事態でこっちに戻ってきてるんだけどな」


肩をすくめながら、彼はそういう。
エヴァは書類を片手に思わず笑みを溢す。それに対しリンドウは少し驚いたように口を開く。


「お前もそういう表情、出すようになったのか」

「し、失礼ですね……!俺だって、三年間何もしてなかったわけじゃないですし」

「そりゃ悪かった。コウタ隊長はどうだ?」

「あいつより全然マシですよ。寧ろいいです、こっちの方が」

「なんだ、お前もクレイドルに引き込むつもりだったんだけどなー」


その言葉に、エヴァは顔を引き攣らせる。


「い、いえ、遠慮しておきます。もうシノンとは……」

「アイツも何だかんだで頑張ってやってるんだぜ?っと……これ、目を通しておいてくれ」

「……これ、は……新種の?」

「詳しいことはソーマの方に頼む」


質問をしようとしたところで、リンドウが釘を刺す。言葉を遮られ、思わず顔を顰めるが相手がリンドウだ。しょうがないと割り切りひとまず、持っていた書類に乗っけ溜め息を吐き出した。
あの事件以来、アラガミの発生はゆるやかに増していっていた。懐かしいアラガミもいれば、初見のアラガミだっていた。今はブラッドのメンバーとやっていっているが……


「ん?どうした?」

「ブラッドの隊長、ユキにはもう会いました?」

「あぁ、わざわざ迎えに来てくれたよ」

「そうですか」


そういうエヴァの表情を伺うリンドウ。それに気付いたのか彼は首を振りながら言葉を続けた。


「頼りになる隊長ですよ。彼女は、ただ……少し」

「例の事件の……アレか?」

「まぁ、そんなところです」


時折、空を見上げているのだ。何処をみているのかは……想像できる。


「わかったよ、まぁ気にしておくさ」

「あ、そういう意味じゃ……」

「いやいや、ブラッドのメンバーも引き込もうとしてたから丁度いいさ」

「ちょ!?それ本気ですか!?」

「極東支部にはお前とコウタがいるしなぁ」

「いえ、そういう問題では……」


いつの間にか、カウンター席で飲みながら雑談をしていた二人に、そのうちソーマの鉄槌が下ったのは秘密だ。


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