戦闘

※発売前に書いたもの。そのために矛盾点多いですがお許しくださいませ


息を吸い込み、美味しくもない空気を吐き出し、そしてクロガネ槍を持ち直す。
目の前には先程、倒したばかりのアラガミの身体が横たわっている。すでにコアは摘出してあり、後はフライアへ戻るだけ。

そう、戻るだけ。のはずだった。


『ヴィレさん!強力なアラガミ反応です!一分後に出現します!』

「……場所は?」

『データを送ります!』


端末を取り出して画面を見詰める。彼がいる場所からそう遠くはない。


「わかった、撃退する」

『増援は……』

「いらない、俺一人で十分だ」


半ば、強引に通信を一時シャットダウンして腰から回復薬を取り出し喉に流し込む。幾分か身体が軽くなったところでクロガネ槍からクロガネ狙撃銃へと変形させる。


「……フィールド展開」


フワリ、と彼の周りに白い靄がかかる。
適当な高台へと移動し彼は銃を構えた。そんなことをしていると、一分なんてあっという間で再び通信が入り込んでくる。


『反応出現!ガルムです!』

「了解した」


短く返して、射撃へと意識をシフトする。巨大な影、それが地面に落ちてしばらくしてから実体を見せた。
四足歩行、どこか犬を連想させる容姿は微かに赤く光っている。彼が隣に立てば、そのアラガミ、ガルムがどれだけ巨大かわかるだろう。


「……撃つ」


狙いを頭に定め、トリガーを引いた。
それがヒットした瞬間、ガルムの身体がよろけるがなんともなかったかのように再び歩き始める。
ガシャン、と銃から剣に戻す。その音を拾ったのかガルムの鋭い眼光がヴィレを射抜く。しかし彼は動揺することなく槍を携え、駆け出した。ガルムも戦闘体勢を整え咆哮する。
ビリビリと伝わってくる咆哮の振動に、ヴィレは思わず唇を綻ばせた。

血が騒ぐ。

槍を突き出すと同時に、赤い波動がガルムの身体を貫く。
それを受けたガルムは前足を持ち上げヴィレを薙ぎ払おうとする。
彼は足に力をこめて、跳躍、そのまま後方へと一回転。距離を取ったところで再び足に力を込めて地面を蹴る。
すると、ガルムは前足を持ち上げた。そのモーションにヴィレは舌打ちをしてシールドを展開してやりすごそうとする。
瞬間、レーザータイプの弾丸がガルムの顔面を貫いた。怯み、ガルムがよろよろと後退する。
シールドを収めながらバックステップ、そして後方を見た。


「た、隊長……!」

「全く、お前は」


ガコン、と銃からロングソードへと変形させながら彼、ジュリウスは微笑む。
腰から回復薬を取り出すと、グッとヴィレに押し付ける。


「持っとけ、激戦になるぞ」

「……どうし」


回復薬を受け取りながら、彼はジュリウスに尋ねようとするが、彼の唇に何かが触れる。ジュリウスの、人差し指だった。


「フライアに帰ったら説教してやるからな?」

「……はい、隊長」

「よろしい。さぁ、今は目の前のアラガミだけに集中するぞ。後衛からバックアップする、好きに動け」

「はい!」


さぁ、食事の時間だ__


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