大人げないぞ、俺。何度心の中でそう呟いたことだろうか。花巻が誰かと話す度に、沸々と沸き上がってくるこの感情。大人げない。俺らしくもない。嫉妬なんて…女子か俺は。なんとか気持ちを静めよう。そうだ、腹が減っているからイライラしているだけかもしれない。しかし、購買に行ってパンを買い貪り食うも、花巻と喋る明日葉への苛つきが消えることはなかった。なんだってんだ、ちくしょう。花巻め、誰にもかれにも照れ笑いするんじゃねえよ。明日葉はともかく、他の男子が勘違いしたらどうするんだ。

「オイ、花巻」

「ひゃ!!」

声をかけただけで飛び上がる癖は、いつまでたっても治らない。

「その…なんていうかさ…」

「は、はい…?」

なんていうかさ。他の奴に笑いかけるんじゃねえよ。…いや、これは余りにも酷な命令だ。いや、でも、なんってったらいいのか…。

「あーもう、めんどくせえ!!」

「ひゃあ!?」

力いっぱい抱きしめて、離さなかったら良い話だ。あーあ、この俺が、


ここまで惚れてるなんて

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