「はっ!!」 気づけば私は、保健室のドアの前。隣には藤くん。これは、もしかして。 「ふ、藤くん!」 「花巻!」 互いに見合わせ、状況を把握した。 キーンコーンカーンコーン… 「あ…」 廊下に設置された時計が表す、1時15分。五時間目開始のチャイムだ! そのとき、ガラリと目の前のドアが開かれた。 「うわっ、びっくりした…。二人して、どうしたの?」 「………!!」 ハデス先生だ。戻ったんだ、元の世界に!! 「あーっ!!! 疲れた、俺は寝る!!」 「えっ、ちょ、藤くん?」 「先生…私も、休ませてもらって良いですか?」 「花巻さんまで、どうしたの?」 大きなため息を尽きながら、真っ白な布団に身を沈める。 「ふあ…」 藤くんと言えば、もう気を失ったように眠り始めていて。私も後を追うように、眠りについた。 「…なにがあったんだろう」 二人してベッドでぐっすりと眠る私達を、ハデス先生は困ったように眺めていた。 前 次 表紙へ |