「ち、ちょっと怖いな…」 必死に笑顔を作って返答したものの、声が震えてしまう。さっきのような悪意が向けられるのは、正直体が持ちそうにもない。 「心配すんな」 ふいに耳に届く声。藤くんは気まずそうに頬を掻いてから、こう言った。 「俺が巻き込んだんだ。花巻は責任もって守る」 「…………!!」 顔に熱が集中するのが分かった。出来れば、もう一度言って欲しい。私の勝手な聞き間違いじゃあないよね…!? 「よく言ったね藤君」 ハデス先生は嬉しそうに笑う。私はというとなんだか恥ずかしくなって、そして確かに感じている嬉しさを胸一杯に抱え込んでいた。 「あ、ありがとう…」 「べ、別に…」 そして今日からここは、この世界で唯一安息出来る私たちの秘密基地となったんだ。 前 次 表紙へ |