「…!」 そういうと、反応を示す二人。私は続けて話した。 「多分、藤くんだけを連れてくるつもりで…」 「たまたま側にいた花巻まで一緒に来ちまった、ってことか」 藤くんは「あああ」と溜息に似た唸り声をあげると、ソファの肘掛けにもたれ掛かった。 「うん…。なるほどね」 先生は納得したようで。しかし、すぐにまた怖い顔になり、ずいっと私の方へ乗り出した。(ち、近…!) 「となると花巻さん、君はすごく危険だ」 「え…!?」 「城野宮さんは、自分と藤くんだけがいる、思い通りになる世界を作っている。すると、どうしても花巻さんは邪魔になる。…つまり、消しにくるだろうね」 「「!!」」 出来れば聞きたくない言葉だった。でも、あの城野宮さんの態度だと有り得る。そうだ、さっきだって男子生徒を使って…! 「花巻?」 知らぬうちに私はガタガタと震えていて。藤くんが心配そうに私を見つめた。 前 次 表紙へ |